天穂のサクナヒメ
『天穂のサクナヒメ』(てんすいのサクナヒメ)は、えーでるわいす開発でマーベラスより2020年11月12日に発売されたゲームソフト。
概要[編集]
Nintendo Switch・PlayStation 4・PCにて配信。舞台となる架空の島「ヒノエ島」で鬼と呼ばれるモンスターを倒し、稲作により主人公の「サクナヒメ」を強化しながらヒノエ島に鬼が発生する原因を解き明かす和風アクションRPGゲームである。
ストーリー[編集]
豊穣神である主人公のサクナヒメは神の住む「頂の世」に迷い込んだ人間を追い出そうとし、不注意で主神カムヒツキへの供物を収める倉庫を爆破してしまう。この失態により、サクナヒメは迷い込んだ人間ともどもヒノエ島と呼ばれる孤島の調査を命ぜられる。
苦労を知らずに自堕落な生活を送っていたサクナヒメはヒノエ島での自給自足な生活に癇癪を起したり、田右衛門ら人間たちと衝突をおこしつつも生活に順応していき、幾多の苦難を乗り越えながら成長していく。
登場人物[編集]
- サクナヒメ
- 声 - 大空直美
- 本作の主人公。武神タケリビと豊穣神トヨハナの間に生まれた豊穣神。
- タマ爺
- 声 - 鳴海崇志
- サクナの育ての親。
- ココロワヒメ
- 声 - 衣川里佳
- サクナの親友。
- カムヒツキ
- 声 - 小日向みわ
- ヤナト神族の主神。
- 田右衛門
- 声 - 矢野龍太
- 本名は「桂 右衛門尉 隆盛(かつら うえもんのじょう たかもり)」。
- ミルテ
- 声 - 久保田ひかり
- 「フォロモス教」を布教しようとしている聖職者。
- きんた
- 声 - 前田聡馬
- 戦災孤児で、物作りが得意。
- ゆい
- 声 - 古賀葵
- かいまる
- 声 - 桃河りか
- アシグモ
- 声 - 各務立基
- ヒノエ島の原住民として戦ってきた。
- 石丸
- 声 - 亀山雄慈
稲作について[編集]
本作は戦闘によるレベルアップで能力値上昇、というシステムを採用していない。これはサクナヒメが豊穣神であるため、稲作の成果で神としての力(ステータス)が強くなるという設定のためである。そのため、サクナヒメを成長させるためにより良い米を作る必要がある。この稲作システムが非常に作りこまれており、肥料や雑草抜き、水の管理は当然ながらその内容まで凝っている。肥料の偏りにより病気や米の質に影響を与えたり、水の管理は水温管理や水抜き時期が肝要になってくるなど、現実の稲作とリンクするものが多い。そのため販売直後は攻略情報を求めてJAのサイトや稲作を解説しているサイトに多くのプレーヤーが訪れたという[注 1]。肥料についても排泄物を素材に生成されるため、食事により肥料の効果が変わるという作りこみ。そのため、最高品質の米を作ろうとした場合にはゲーム中においてもバランスの良い献立を考える必要がある。なお、肥溜めに入れた食材は腐らないというシステムを利用し、冷蔵庫代わりとして使用するプレイヤーも現れた。
音楽[編集]
アニメ版ひぐらしのなく頃に(2006年)のエンディングテーマやシェルノサージュに楽曲を提供している大嶋啓之が全曲を提供している。制作に5年を掛けたといわれる力作である。ゲームが「和風アクションRPG」であることから和楽器を多用している和風な楽曲が多い。主題歌である「ヤナト田植唄・巫 ―かみなぎ―」のメロディが作中の多くの楽曲に採用されており、ライトモチーフとして楽曲の統一感を演出するだけでなく稲作が生活に結びついていることを感じさせている。ユーザーからの楽曲の評価も高く、大神同様に「日本人特効」、「DNAで聴く」などの感想がみられる。いくつかの曲がみんなで決めるゲーム音楽ベスト100の上位にランクインしている。
評価[編集]
- 実際の稲作の知識が生かせると農業関係者の注目を集めている[1]。
- 稲作においては水位や水温の管理が肝要になってくるため、台風などで田んぼの様子を見に行く農家の気持ちがわかったという声もある。
アニメ[編集]
2024年3月9日、『天穂のサクナヒメ』のテレビアニメ化を発表[2]。
脚注[編集]
- ↑ 実際の管理をまねて稲作するだけでそれなりの品質ができてしまうほど