パーソナリティ障害

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パーソナリティ障害(:Personality disorder)とは、性格によりかなりの苦痛や機能の障害をもたらしている場合のことである[1]
「人格障害」や「性格異常」「精神病質」などの呼ばれ方は現在では使われなくなってきている[1]が、精神医学などの発達により、問題化されている。
10種類に分類され、3つのグループ(A群、B群、C群)に分類できるとされる。

概要[編集]

近年では「遺伝性ではなく家族性のものである」「成育環境に問題があったのではないか」とは云われる、
性格は発達期を経て人格形成した結果として、「終生変わりえないもの」として定着するのだが、成育過程に問題があって人格形成が社会に適合できないものが「パーソナリティ障害」(=「性格異常」)とされてきたという経緯がある。

A群[編集]

A群は奇妙または風変わりな様子を特徴とするといわれ、します。このグループにはそれぞれの際立った特徴をもつ以下のパーソナリティ障害が含まれとされる。

  • 妄想性 - 不信と猜疑心
  • シゾイド - 他者に対する無関心
  • 統合失調型 - 奇妙または風変わりな思考と行動

とはいえ、これらは軽度の統合失調症ともみなせるため、さほど問題はない。薬物療法でなんとかなるレベルの話ではある。

B群[編集]

B群は演技的、感情的、または移り気な様子を特徴とするとされる。このグループにはそれぞれの際立った特徴をもつ以下のパーソナリティ障害が含まれるという。

  • 反社会性 - 社会的無責任、他人の軽視、欺瞞、自分の利益を得るための他人の操作
  • 境界性 - 心の中の空虚さ、人に見捨てられることへの恐れ、不安定な人間関係、感情や衝動的行動をコントロールすることの問題
  • 演技性 - 人の注意を引きたい欲求と劇的な行動
  • 自己愛性 - 賞賛されたいという欲求、共感性の欠如、および自分の価値についての過大評価(誇大性と呼ばれる)

反社会性パーソナリティ障害は、この四つをすべて備えていることが多いので、これは分類というより症状の一覧である。

C群[編集]

C群は不安や恐れを抱いている様子を特徴とするとされる。このグループにはそれぞれの際立った特徴をもつ以下のパーソナリティ障害が含まれるとされる。

  • 回避性:拒絶される恐れによる対人接触の回避
  • 依存性:服従と依存(面倒をみてもらいたいという欲求による)
  • 強迫性:完全主義、柔軟性のなさ、頑固さ

「単に他人に関心がないだけ」という見方もあり、「依存性」は別にして「それで仕事ができるんだったら何の問題もないじゃん」とも言える。ただし、本人が「生きづらさ」を感じている場合は、「私は自閉傾向があるのではないか」と考えてみてもよいように思う。

発達障礙が遺伝的なものであるのに対し、パーソナリティ障害は成育環境によるため、人格形成期に虐待を受けている場合が多い。発達障礙児童は「育てにくい子供」ではあり、そのため保護者が宗教などにハマッたりしやすい。その結果、いわゆる宗教二世はパーソナリティ障害に陥りやすい。とはいえ強調しておきたいのが、パーソナリティ障害は結果(人格形成の失敗)であり、発達障礙が原因というわけではない。

A群精神病の症状とかなりの程度重複するため、見分けがつきづらい。
B群の反社会性パーソナリティ障害は、病識がないため診断に引っかからない(そもそも医療機関に訪れない)ことからきわめて扱いづらい。

反社会性パーソナリティ障害[編集]

もっとも扱いづらいパーソナリティ障害であり、「ソシオパス」「サイコパス」「人格障害」「性格異常」は類語である。

  • 自尊感情は強いが、自己評価は低い。したがって批判を許さない。
  • 属事的問題解決能力が低く、属人的な方法に頼る。いわゆる「政治力」に頼る。他者に命令することはあっても、自分では手を出さない。

したがって、「自分の腕に自信がある」タイプのひとは、「自身のパーソナリティが社会的通念と乖離しているのではないか?」という疑問は持ちつつも、「反社会性パーソナリティ障害」には当たらない。いわゆるハッカーがこれに当たり、「人間やめますか、ハッカーやめますか」と問われて「人間やめます(笑)」と答えるタイプである。

  • 盲目的に権威に頼りがちである。信仰心は強いが教義には無関心 - 「そういう決まりだから」が口癖。
  • 自省的・内省的ではなく、外責的であり他罰性が高い。
  • 「見捨てられ恐怖」が強く、他者に対する支配欲が強い。
  • ポータライゼーション(両極化・極端化)- 「エホバか、サタンか」のような形であらわれる。どちらにも分類できない他者は、「世の人」であり、全身全霊を「真理」に捧げない者はサタンとして使い捨てる。「ブラック企業」の経営者や管理職、公立学校の教師や学校の運動部のコーチなどに多くみられる。「期待を裏切られた」という思いが伴い、徹底的にツブす。「それは何の得にもならないだろう」と思うが、これは損得勘定の話ではなく、「感情」の問題なので受容できない。
  • 終末思想に惹かれがちである。「現世はサタンによって汚されており、ハルマゲドンによってサタンが滅ぼされたのちに『天の国』がやってきて、エホバな人々は永遠に幸福な生活を送る」とかいった話を信じたりする。

など、数々の兆候はあるものの、なかなか露わにはならない(ただし、被害者は多く、ジャニーズ事務所や宝塚歌劇団などの例がある。かつては戸塚ヨットスクール事件などもあった)。昨今では、「ハラスメント」という言葉はあるものの、個人としての対抗はいまだ困難である。

脚注[編集]