メシマズ
メシマズとは、「2ちゃんねる」あたりを発祥とするネットスラングである。対義語はメシウマン。
パーソナリティ障害や摂食障害との関連も強く疑われている。
概要[編集]
メシマズには
- モノシラーズ系(単なる知識あるいは調理技術の不足)
- アレンジャー系(「自己評価が低い」く、「プライドが高い」ゆえに承認願望が高い)
というケースなどがある。
モノシラーズはさほど問題はない[1]が、アレンジャーは自分の「創意・工夫を認められたい」というメンタルヘルスに関わる話であるため、扱いが難しい。
「(主に家庭内における)日常食としてのメシがマズい」が主症状である。
いわゆるスイーツは分量・時間・温度などを守ってレシピ通りに作ればほとんど失敗がないので、手作りのスイーツを知人に配るのが趣味であるメシマズも存在する。こちらはモノシラーズ系には属さないらしい。
女性に多いとされ、「メシマズ嫁」が社会問題となっているが、男にもメシマスは多く、「麺茹でができない」という男性もいる。
「女性は料理が上手でなければならない」というこだわりがあるらしく、調理器具(鍋や包丁など)は高級品を揃えていがちである。ただし包丁が高級品を選ぶが、「刃物が怖い」という人もおり、包丁の研ぎ方も知らず、そもそも砥石がないこともある。
メシマズ関連用語[編集]
モノシラーズ[編集]
物しらず。「キャベツとレタスの区別を知らない」という話があった。もちろんジャガイモはジャガイモであり、男爵芋とメイクイーンの違いも知りようがない。
正しい元の料理・材料・調理法を知らないのにチャレンジし似ても似つかないものを作る。
その活動パターンから 材料知らず・料理知らず・調理法知らずに分類され、それらの交雑種も見られる。
ただし、「元料理を知らないにもかかわらず、何故か自信満々に「○○よ!」と出してくるモノシラズ属類似の属がある。
近年ではメシマズ研究が進み、「そもそも料理そのものを知らないのではなく、レシピ本とかから情報を得ると『自分』が自分でなくなってしまう」といった心理的な完成恐怖症的なものが影響していると考えられている。インスタント食品をパッケージに明記されている調理法に従って作ることもできない人は、モノシラーズとは別種である。
カゲンシラーズ[編集]
加減しらず。モノシラズの亜種。
中途半端な知識から偏った結論をはじき出し、結果として食べ物ではない何かを作り出す
例)
- しっかり火を通さないと細菌・寄生虫などの侵入を許してしまう⇒炭化
- 焦げたものは癌の原因になる⇒半生
計量カップ、計量用のスプーン、調理用の秤、クッキングタイマーなどがあれば解決は可能だが、調理に際しては複数のプロセスが並行して走っているので、いわゆる「段取り能力」とも関連する。
アワテモノ[編集]
「慌て者」とはいうが、「計画性がないため目の前の事態にしか対処できず、段取りができない」ことの結果である。困ったことにソフトウェア開発のマネージャーには多くみられ、線表を無視して空き時間に作業を突っこんで段取りをぶち壊すことがある。「ブキヨーモノ」「ソコツモノ」と統合するのも有意義かと思う。
ブキヨーモノ[編集]
不器用者。 純粋に不器用さのために調理に失敗する。習熟するなり手法を工夫するなりすれば改善可能。
頻出事態「ひっくり返すの失敗」「材料の大きさが違うので煮え方ムラムラ」。
ソコツモノ[編集]
粗忽者。注意力不足・思慮不足のために調理に失敗する。
必殺技「焼き過ぎ」「調味料入れ忘れ」。有機化学実験でよくやる、あらかじめ「何をするか」の作業リストを作っておくという対策がある。
アジオンチー[編集]
味音痴。幼少期の味覚形成時期の問題により、「美味」の基準が常人と乖離しているためマズメシではないもの作ることができない。
感覚障害などは特にない場合が多い。
イイカゲーン[編集]
いいかげん。アバウトな性格のために調理に失敗する。計量すれば改善可能。
口癖「このくらいでいいか」
ダイヨウ[編集]
代用。適切な材料・調味料・調理法が実現不能なので別のものでそれを代用した結果、部分的代用の限界を超えて、全然違う料理を作ってしまう。とはいえ餃子を白菜で作るかキャベツで作るかといった話はあるので、改善可能ではある。
カクセナス[編集]
隠し味が隠し味になっていない。むしろ主役級の破壊力を誇る。
アレンジャー[編集]
レシピに忠実に従ってしまうと「『自分』が自分でなくなってしまう」といった心理的な完成恐怖症的なものであるらしい。 正しいレシピを知っていながら、故意にアレンジをする。その活動パターンから"材料アレンジャー・調味料アレンジャー・調理法アレンジャー"に分類され、それらの交雑種も見られる。レシピがあるのに従わないのは、「レシピ通りに作ったら、私が私でなくなってしまう」という理由があるらしい。したがって、外食をしたときにも、独自にアレンジしたがる人もいる。高級な天麩羅屋で「ウスターソース下さい」と言っちゃうタイプである。林 真理子などの例が知られている。
あくまで「良かれと思ってやっている」のが、アレンジャーの特徴である。
むしろ自慢げに「ちょっとアレンジしてみたの」と言ってくる場合が多い。
モタイナイ[編集]
勿体ない。アレンジャーの亜種。
余った食材を効率的に処分、という名目の元に、“とんでもない組み合わせの配合”を行う。
完成した料理にも、せっかくだからと余った材料をプラスしぶち壊しにする。
なお、完成されたモタイナイ料理は、“闇鍋”と区別がつかない。
カネカケナイ[編集]
金かけない。アレンジャーの亜種。
節約料理のつもりなのだが最低限必要な部分も省くため食材以上料理未満のものが出来上がる。
モタイナイ、カネカケナイに共通して、本人は節約上手のつもりであるあたりにアレンジャーの特徴が明確に現れている。
- モタイナイは「過剰に足すアレンジ」によってマズメシになる。
- カネカケナイは「過剰に引くアレンジ」によってマズメシになる。
行動原理は同じ「ケチ」であるにもかかわらず、正反対の行動として発露するが、結局出来上がる料理は同じくマズメシである。
カンチガーイ[編集]
勘違い。あるいは過剰な思いこみ。
- 「手間をかけてがんばれば、ウマイ料理が出来る」と思いこんでいる。
- 「私は家庭料理のプロ♪だから、味見なんかしなくても大丈夫」と思いこんでいる。
- 「TVなり料理本なりネットで美味しいって言っている(書いてある)から、美味しいはず」と思いこんでいる。
- 「これだけ高い食材なんだから 、どう調理しても美味しいはず」と思いこんでいる。
- 「相手は私を愛しているから、たとえどんなに不味くても、美味しいって言ってくれる」と思いこんでいる。
ヘンショッカー[編集]
偏食家。偏食により、「嫌いだから」と味の想像も付かないまま無謀に作り、味見をされず作られた相手の好物が見るも無惨な代物になる。または無茶苦茶簡単であるに関わらず、「自分は嫌いだから」と食卓に提供されなくなる。焼鮭の皮や秋刀魚・鮎の肝、はては鮑の肝などを捨てたりもする。「何でも砂糖醤油で味付けする」というタイプもいる。
ツクリスギー症候群[編集]
幼少期の環境により、「食卓にのぼる食べ物の量の見積もり」が一般とズレており、ついつい作りすぎてしまう病。
メシマズ・メシウマ問わず発症する病であるが、メシマズが発症すると周囲に甚大なる被害を与えるため恐れられている。
ギャクギレーゼ[編集]
逆切れ。料理レシピ本を所持するが、読むのが面倒ゆえ、写真(見栄え)のみ飾ることに熱中。味について指摘されると「努力を認めてくれない」「一所懸命やったのに」と逆ギレして相手を「デリカシーがない」と怒りだす。
「作る自分への愛」はあるものの「食べる人への愛」をないがしろにするのが特徴。
エゴロジスト[編集]
エコロジスト。 「魚臭いラップを再利用」「消費期限を1年以上過ぎた食料を捨てない」など環境と地球のためなら料理の味も相手の健康も犠牲にする。「捨てようと思って冷蔵庫に入れておいた」ものを他の人が食べて食中毒を起こしたりもする。
本人は環境問題を考えている自分に酔っているが、そのエコロジー理論と方法論は、“的外れであさっての方向を向いている。
そのことを指摘すると“ギャクギレーゼ”に変身する場合が多い。
ジブンクワナイ[編集]
自分は食べない。「あなたのために作ったから」「さっき食べた」「失敗したから」などの理由で作ったマズメシを自らは食べない。 悪質なものは保険金フラグの場合もある。
アジミネーゼ[編集]
味見しない。途中で味見をしない、味見しても上手に修正できない。
ミタメジューシー[編集]
見た目重視。味や安全より、見た目重視のドリーマー。彩り命。つまりは「映え」重視。
ヘルシンジャー[編集]
ヘルシー信者。健康情報を妄信して、食物としてバランスの崩れているものを食べさせる。栄養バランスやマズメシによるストレスなどの理屈を並べる者は宗教の敵。
被害者[編集]
へタレ[編集]
へたれ。ギャクギレーゼに対して、メシマズの逆ギレや言い逃れしたりといった逃避行動を許しつづけ、「マズイ」とも「レシピ通りに作れ」とも「アレンジするな」とも言えずメシマズの顔色を伺いながら「お腹が空いてない」などの言い訳でなんとか゛マズめし゛から逃れようと画策するも根本的解決策が見いだせる訳もなく、ただ嘆くのみ。
昨今は冷凍冷蔵庫が普及しているため、本来は避けれる事態ではある米国でな「TVディナー」という冷凍食品があり、完成度も高いのでさほど問題にはならないが、児童虐待にあたるようなケースも散見される。
とはいえ、現実には、メシマズに改善策を聞いて貰う事すら出来ずに「毎夜ネット上に集まっては、愚痴を嘆き語り合う゜典型的なネット弁慶゛」もいる。
免罪符代わりに「愛があるから大丈夫」と愛を゛ヘタレ理由゛とすりかえることもある。
メシマズを改善してくれるメシウマンの到来だけをひたすら祈りつづける。
メシウマン[編集]
嫁の逆鱗に触れるのを恐れ、なかなか本音を言い出せない旦那に代わってメシマズ嫁を改心させる期待のヒーロー。主に旦那の友人・知人の独身男性の他、ご近所のメシウマ夫婦など、第三者的な立場で的確なアドバイスをしてくれる頼もしい味方。 ※戦隊シリーズ同様、男女問わずメシウマンと呼ぶ。ただし、メンタルを病んだメシマズは、「サタンである」として排斥することがある。
マズニチュード[編集]
「マズニチュード」(maznitude)とは、味・香り・見た目を指標とするマズメシの尺度。単位は[Mz]。
- 0Mz 無害
- 1Mz 違和感を覚えるものの、完食は十分に出来る
- 2Mz 正直に言えば美味しくないが、好みの違いと思いたい
- 3Mz 眼に水分が集まる
- 4Mz あの酸っぱさが絶え間なく続く
- 5Mz 「こんなもの食えるか!」と言っても失礼ではない
- 6Mz 「子供は食べるんじゃない。君はまだ先がある」
- 7Mz 「飲み込む」とは何だ
- 8Mz 豚も食わない
- 9Mz 高度な黒魔術の触媒になりうる
- 10Mz 常人が表現する中で最高の代物
- 12Mz 天才のみ達しうる領域
- 15Mz 一口で神仙を殺す料理
別で書かれていたとしては以下のものがあるが、こちらは震度に近いので、厳密にいうと「マズニチュード」かどうかは判断しかねる。まぁ、直下型だとマズニチュードよりもこちらのほうが重要だが。
- Mz0 : 無害
- Mz1 : 違和感を覚えるものの、完食は十分に出来る。
- Mz2 : 正直に言えば美味しくないが、好みの違いと思いたい。
- Mz3 : はっきり言ってまずいが、食べても健康に害はない。
- Mz4 : まずい。小児・老人に与えると入院・加療が必要。
- Mz5弱: 食後しばらく胃痛、胸焼け、嘔吐感を催す。
- Mz5強: 長期間摂取を続けると健康に害を及ぼす。3ヶ月に1度の健康診断を推奨。
- Mz6弱: 手足が痙攣し呂律が回らなくなる。場合により、保険の加入状況を確認する事。
- Mz6強: 意識が混濁し現実と虚構の区別がつかなくなる。思わず口走る本音に注意。
- Mz7弱: 食べ物ではない。無理に食べるなら事前に救急車の手配を忘れないこと。
- Mz7強: 食べ物ではない。無理に食べるなら事前に遺書の手配を忘れないこと。
- Mz8弱: バイオハザードを引き起こしかねない。彼女が料理をする事はクッキングテロに等しい。
- Mz8強: 一口で神仙を殺す料理?
関連語[編集]
「マズメシ」がある。「なにが不味いか」というのを説明するのは困難であるので、「味の組立」「料理の組立」「季節感」「素材の鮮度」など説明しないとダメなのだが、そういう言説はメシマズには拒否される。
韓国料理の「ピビンパ」は「混ぜご飯」の意だが、当初は日本人には受けいれられず、日本において「石焼ビビンパ」が誕生した。これは「どうせ混ぜてグチャグチャになるんだからどうでもいいじゃん」ではなく、充分に加熱した石碗に飯を盛って具材を載せたものを供し、客が自分で石碗に焼きつけつつかきまぜるというプロセスを愉しむのが風情である。したがって、「マズメシ」は単に味覚によるものではなく、料理における形式や「見た目」「香味」なども含めないと判断ができない。
メシマズ属性のある人物・キャラクター[編集]
この節にある一覧は網羅性がないため永遠に未完成です。加筆、訂正して下さる協力者を募集中!
お料理の守護霊[編集]
武田真理子『お料理の守護霊』シリーズ(講談社。監修は渡邉香春子)。
主人公の大島千寿が引っ越した先の家の地縛霊である菊地ハルによって、「お供え」として料理を要求され、料理を習得させられる。主人公である千寿が料理をすると、「あらゆる食材がゴミになってしまう」という妄執に囚われている。
対してハルは「自分の不勉強を棚にあげて、なって言い種だい! 都合よく『才能』で片付けるんじゃないよ! 言っとくがね、料理なんてのは基本の連続なんだ。『素材が何を求めているか』『愛情を持って考える』、この基本さえ身についていれば、だれでもできることさね」「じゃなきゃ家庭料理なんて成り立たない。『だれが作ってもおいしい』『毎日食べても飽きない』、そうやって根付いたもの」「この世に料理下手なんでいないのさ」と主張する。
ぶっちゃけ海軍のメシ当番や山屋の食当(食事当番)は、メシマズだったら殺されかねない。
ただし、出版が2007年なので、多少情報にズレがある。「東京の水道水はカルキ臭い」などがそれで、東京の水道水は高度浄水されており、塩素ではなく過酸化水素水
で消毒されている。水道水の供給圧も五気圧を越えているために貯水槽が廃れており、その結果東京の水道水はかなり美味い(「東京水」というブランドもある)。ただし軟水なので、スリランカ産の紅茶などを淹れるといまひとつな部分がある。
また、最近では精米技術が進歩しているので、米は研がずに炊いても普通の人は気づかない。
なお、味噌は近所の味噌問屋で買い、火を止めてから加えてからアルコール分(腐敗防止用に1%ほど添加してある)を飛ばすためにひと煮立ちして(芳香成分はエステル化合物なので、あまり煮てしまうと香りが立たない)器に注ぐこと。
ラブライブ!シリーズ[編集]
- 星空凛
- 「モノシラーズ」のパターン。料理を誰かが食べてお腹を壊したことはないという話だが、みんなから止められる。もっとも、スクフェスで正しい指導を受けると改善されている。
- 優木せつ菜
- 「アレンジャー」のパターン。独創的なのが特徴で、歩夢や彼方の監視がないと変なものをぶち込んでしまい、食べた感想を相手に問うとまともに答えてもらえない。
脚注[編集]
- ↑ ときに、「面白い」料理を作って定番化する」という効用もある。茹でうどんを水溶き小麦粉に絡めて油で焼いて酢醤油で食べるという「うどんの餃子風」などは、傑作である。キャベツと豚バラ肉の炒め物と一緒に喰うと、「成分としては餃子と一緒」であり、なおかつボリュームがあるので定番化している家庭もあるという。