海底地震計
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海底地震計(かいていじしんけい、英語: Ocean-bottom seismometer)とは、海洋底での地震観測(海底地震観測)を行うために開発・設置される地震計のことである。1960年代からこのタイプの地震計によって実用的観測が行われている[1]。一般的には水深数千mの海底に設置され、プレートテクトニクスや海域で発生する巨大地震(海溝型地震)の研究などに大きく貢献している。
種類[編集]
現在主に使用されている海底地震計には、大別して以下の2種類がある[1]。
- ケーブル式海底地震計 (cable type)
- ケーブルで陸上とつながれた海底地震計である。コストはかかるが、長いケーブル・大きな電力を用いればリアルタイムで陸上にデータを送ることができる。日本周辺では、東海沖(東海地震の想定震源域)や房総沖、相模湾などに設置されており[2]、そのデータは気象庁などに送られている。
- 自己浮上式海底地震計 (pop-up type)
- センサー・記録装置・時計・電池などを(水圧に耐えられる)カプセル容器に入れて作業船から投入される[3]。海面から自由落下させ、水深6,000m程度まで設置出来る。地震計には架台と錘が取り付けられており、そのまま海底に沈み自動的に観測を開始する仕組みである。地震計の容器内で記録器によりデータが記録される。観測期間は通常数週間くらいである。観測が終わると、船からの信号を受けて(浮力で)浮上し、その後回収される[3]。ケーブル式に比べて設置コストが安い。
緊急地震速報への活用[編集]
気象庁は、2019年6月27日から海底地震計の観測データも緊急地震速報に活用している[4]。
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 宇津徳治 『地震学 第3版』 共立出版、2001年7月(ja)。ISBN 978-4-320-04637-5。