海溝型地震
海溝型地震(かいこうがたじしん、英:Subduction zone earthquake)は、海溝やトラフ近傍を震源とする地震である。規模が大きく、揺れる時間が長い地震になりがちである[1]。海溝型地震では津波が発生することがある。相模トラフ地震、南海トラフ地震、駿河トラフ地震はいずれも海溝型地震である。
概要[編集]
地震活動や火山活動は、プレート・テクトニクスで説明できる。日本列島の乗っているのは西日本と北日本とが異なるプレートである。西日本はユーラシアプレート、北日本はオホーツク海プレートと言われる。なおオホーツク海プレートは北米プレートの一部という説もある。その2つのプレートに太平洋プレートとフィリピン海プレートが沈み込んでいる。つまり日本列島近傍で4つのプレートが毎日押し合っているという、世界でもまれな場所である。
海溝やトラフはプレートの沈み込みによって生じる。日本海溝はオホーツク海プレート及びユーラシアプレートに太平洋プレートが沈み込む場所にできている。相模トラフはフィリピン海プレートとオホーツク海プレートの境にできている。また駿河トラフはユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境目にある。
地震の規模[編集]
海溝型地震の震源にはプレート境界地震とプレート内地震がある。プレート内地震といっても、陸地のプレートではなく、海底のプレートが震源になっているものである。海溝型地震はプレート同士のぶつかり合いという巨大な力による発生エネルギーが大きいので、いわゆる「巨大地震」になることがある。
内陸型地震との比較[編集]
一般的には海溝型地震の方が、内陸型地震より規模が大きくなる。しかし、海溝型地震の多くは陸から離れた沖に震源があるため、地震の揺れは緩和されることになる。内陸型地震は津波は発生しないが、生活の足元で起こるため、局地的ではあるが、激しいい揺れを伴い、甚大な被害をもたらす。東北地方太平洋沖地震(M9.0)と兵庫県南部地震(1995年)を比べれば、マグニチュードは前者が大きいが、揺れによる被害は後者が大きく、前者の被害のほとんどは津波による被害であった。すなわち、海溝型地震と内陸型地震とでは被害の要因が異なるから、対策も異なるのである。
プレート境界地震の例[編集]
- 2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震 (M9.0)[2]
- 1968年、十勝沖地震 (M7.9)
- 1952年3月4日、十勝沖地震 (M8.2)
- 1944年、東南海地震(M7.9)
- 1923年、関東地震 (M7.9)