橋梁

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石橋をたたいて渡る

 - 日本のことわざ

関門橋

橋梁 (きょうりょう) とは、河川道路鉄道等を跨いで通行を行い、若しくは何らかの施設を行うための土木構造物である。交通が自然環境によって寸断されると不便になるために設けられる。通行がしやすくするため広さは十分にとり、安全性も確保し、交通量や建設費用、設置箇所に応じて様々な形態が選択される。

歴史[編集]

橋のはじまり[編集]

「最初の橋は偶然に谷間部分を跨いだ倒木や石だった」と推測している人がいる。

人類はやがて丸太丸木橋(Log bridge)を造るようになった。

また、木々に垂れ下がっているを編んだ吊橋の原型とされる蔓橋(つるはし)や、より長い距離を渡るために川の中で飛び出た石の頂部に丸木を渡したり,自然石を積み上げて橋脚を築いたり、杭を打ち込んで橋脚にしたりした事も考えられている。

日本の橋の歴史[編集]

古代日本においては、仏教僧が主導して橋を建造することが行われていたのに対し、当時の政府("朝廷")のほうは、と言うと(当時の政府はしばしば「政府の体(てい)をなしていなかった」「人々の役に立つような政策はほとんど行っていなかった」などと指摘されるが)、橋の築造に関してもまともなことは、ほぼ行っていなかった(例外はせいぜい勢多橋などの畿内の要所だけで、あとは税金を取り立てる場合に必要な臨時の橋を造れなどと勝手な命令を出すくらいで、『日本紀略』の延暦20年(801年)5月甲戌条には、河川に橋がないことでの搬送が困難な場合にはその度に舟橋を架けるように命じた文、つまり随分と「手前勝手」な命令の記録も残っている。)[1]

欧州の橋の歴史[編集]

ローマ帝国は、橋に関して現代人から見ても驚異的なほどの架橋技術を有していた。

しかしながら、ローマ帝国の滅亡とともに、巨大な橋の建造を計画し工事費用を用意し工事従事者に命令を出す主体も消えてしまい、土木の技術者や職人集団も離散し、技術継承の場も無くなり、高度な技術はほんの数世代ほどの年月で忘れられていってしまった。ローマ帝国の技術が途絶えた後の中世ヨーロッパでは、ローマ時代に建造された数階建ての高層の橋を建造するような技術はもう無かった。ローマ時代の巨大な橋が増水や経年劣化で崩れたりしても、それを再建・修復するほどの技術は無くただ傷んでゆくばかりだった。

ただし、中世では(ローマ帝国ほどの技術ではないとしても)中世なりの技術で、中規模程度の石造りのアーチ橋は造られ続けていた。「歴史遺産や文化遺産は護るべきもの」という考え方が世界的に定着した現代では考えられないことだが、中世では、使われなくなった古代ローマの橋の遺跡が近くにあれば、その遺跡の石を、新たに橋を造ったり(あるいは自宅の壁を造るために)流用するなどということも行われていた。

一方、ローマ帝国の技術はビザンツ帝国アラビア帝国に受け継がれた。

種類[編集]

用途による分類[編集]

  • 道路橋
  • 鉄道橋
  • 歩道橋
  • 水道橋
  • ガス管橋

素材による分類[編集]

かつては木材を使用していたが、橋脚やアーチ橋には石やレンガも多用された。19世紀に入ると鋼鉄やコンクリートが使用されるようになった。

石橋
石で造られた橋。
木橋
木で造られた橋。
鋼橋
鋼で造られた橋。
鉄橋
鉄で造られた橋。
コンクリート橋
コンクリートで造られた橋。
不誠実(悪質)な施工業者も(多数)おり、規定や指示通りの配合率でコンクリートを配合せず亀裂が入りやすいコンクリートを作ってしまう事例が相当割合あり亀裂から入った水分が冬季に凍り亀裂が拡大しやすく数十年ほどで劣化が進み、また悪徳業者によっては川砂を使わず 塩分を含んだ海砂を使い鉄筋を錆びさせてしまう例もあり、これも数十年ほどでコンクリート橋を使えないものにしてしまう。これら橋の材質自体にかかわる非常に重要で根本的な問題、建設段階での不誠実(悪徳)なコンクリート配合を防ぐ手立てがほとんど無い、後から判明しても打つ手が無い、という欠点がコンクリート橋にはある。
日本では、鋼橋やコンクリート橋などが昭和30年代頃から(不適切なことに)「永久橋」などと呼ばれた[2]。これは「安全神話」を作りがちな日本での話。最近では、実際にはコンクリート橋は亀裂が入ったり鉄筋が錆びるなど、石橋に比べてはるかに劣化しやすく、悪徳な施工業者による悪質な施工だと寿命がかなり短い場合があると判明している。

構造による分類[編集]

桁橋
橋脚の上に長方形の桁が搭載された構造である。もっとも古くからある形態である。
トラス橋
構造材を三角形に組んだトラスで橋桁を支える方式である。交通量の少ないものや水道橋には三弦トラスをもちいることがある。支点間を長く取れる長所がある。以下の形式がある。
ワーレントラス
二等辺三角形が横に連なったトラスである。位相が90度進んで重なったものがダブルワーレントラスである。
プラットトラス
直角三角形で組まれ、斜材が内側に向いたトラスである。20世紀半ばまで鉄道橋に採用された。
ハウトラス
直角三角形で組まれ、斜材が外側に向いたトラスである。小規模な木造に用いられる。
分格間トラス
特に大きなトラスで、トラスの強度を増すために部材で補強したものである。
ポニートラス
ポニー」とは、背の低いウマのことで、その名のとおり背の低いトラスである。
ラーメン橋
橋桁と橋脚が一体となった構造である。
斜張橋
主塔から橋桁をケーブルで斜めに引っ張る構造である。構造計算が複雑でなかなかできなかったが、コンピュータによる計算によって普及した。
吊橋
2本の主塔から吊り下げられた主ケーブルより吊り下げられたケーブルによって橋桁を支持する形式である。主塔間をもっとも長く取れる長所があるが、によるたわみに弱い欠点がある。このため、橋桁にトラスを用いて風を通しやすくし、たわみに強くした。
アーチ橋
アーチ桁によって支持される方式である。かつては石やレンガで作られた。現在は鋼鉄や鉄筋コンクリートで作られる。支点が長く取れる長所がある。

支持方式[編集]

単純桁
二つの橋脚間で支持される方式である。一般的な方式である。
連続桁
複数の橋脚間で支持される方式である。
ゲルバー桁
片持ち梁の上に橋桁を載せた形式である。

通行方法[編集]

上路
橋脚を短くできる長所がある。深い谷底を渡るときに採用される。
中路
中途半端で採用例が少ない。
下路
下部に十分な余裕が欲しいときに採用される。圧迫感があるが、鉄道橋に採用例が多い。

その他[編集]

風の影響
特にたわみやすい吊り橋が影響を受ける。1940年11月7日アメリカ合衆国ワシントン州オレゴン州を結ぶ当時世界第三位の長さを誇ったタコマ・ナローズ橋が落橋した映像が残っている。
地震
新潟地震の際、昭和大橋が落橋した。
老朽化
交通量が少ないため、予算が不足するために撤去されても掛け替えられないことがあり、問題となっている。

脚注[編集]

  1. 日本では政府があまりまともに機能しておらず、陸上の交通路の整備もあまり行われず、物の運搬も主に自然の河川を利用する水運で行われていた。橋の整備も現地まかせで、現地の限られた資力と人員でできることは少なかった。仮の船橋渡し船で済ませることが一般的であった。治水に関しても当時の日本の政府はまともなことをする気も技術も無く、やはり主に仏教の僧侶が主導して整備するような状態だった。
  2. 出典:国土交通省「Ⅱ.道路の老朽化対策の本格実施に向けて」

参考文献[編集]

  • 室田明『河川工学』技報堂出版2001年1月31日1版10刷発行
  • 渡嘉敷哲ほか『新ひとりで学べる11地学ⅠB』清水書院2003年8月20日第16刷発行
  • 椹木亨、柴田徹、中川博次『土木へのアプローチ』技報堂出版1999年1月25日3版1刷発行。

関連項目[編集]