堤防
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堤防(ていぼう)とは、洪水などの河川の氾濫を防止するために設置される河川構造物である。
概要[編集]
河川が氾濫を起こすと人命や財産に大きな被害を及ぼす。これを防ぐために河川改修と並んで行政が主体となって建設するのが堤防である。
構造[編集]
締め固められた土で作られることが多いが、鉄筋コンクリートで作られる、薄く、高いものもある。完成した後は沈下するので、充分な余裕の高さをもって作られる。表面が崩れないよう、護岸工事も行われ、シロツメクサなどが植えられる芝や、コンクリートブロックで覆われて堤防が決壊しないようにする。また、大都市では堤防が決壊しないように充分な幅の堤防が必要になるが、買収できる土地が不足しているために、堤防そのものに道路や地権者の同意を得た上で街並みが作られるスーパー堤防なども作られるようになった。
問題[編集]
堤防を高くすると橋梁の位置も高くしなければならない。また、河床が上昇し、それに対応して堤防を高くするとまた河床が上昇してしまうので、河床の浚渫が重要である。集中豪雨によって河川から水があふれ、あるいは、流速の6乗に比例する運搬力によって堤防が決壊することがある。
破堤[編集]
集中豪雨によって河川の流量、流速が堤防の容量を越えると堤防が破壊することがある。これには越水、洗堀、浸透の三つがある。土でできた堤防は越水によって簡単に崩壊してしまう。洗堀は水流による浸食で、河川改修によって解決する。これに対して浸透による破堤は、堤防の構造自体の問題である。
歴史[編集]
日本では江戸時代から河川改修と並んで本格的に堤防の建設を行った。建設主体となった大名にとっては参勤交代に並んで大きな経済的負担となったが、水田や人命の保護を盾に幕府から建設を命ぜられた。