京王9000系電車
京王9000系電車とは、京王電鉄が所有し、同社の京王線、京王高尾線、京王相模原線、京王競馬場線および直通する都営地下鉄新宿線で運用される電車である。
概要[編集]
本系列では5000系・6000系30番台の置き換えとさらなる省エネの実現のために開発された。前期タイプ(0番台)と2004年の火災対応の法改正に対応した後期タイプ(30番台)がある。軽量ステンレスで、日車式ブロック工法を採用。前面のみ普通銅製。ちなみに東急車輛製の9000系もいるが、日車製と同様の見た目になっている。方向幕は3色LEDを採用した。ただし、これは後に後述の30番台後期タイプへ交換された。前面には幌の台座が設置されているが、使用されたことはない。車端部の内装はグレーの木目調となっているが、30番台からは他の箇所と同様の白いものになった。
30番台はドアがE231系のようなドアに変更されており、化粧板は省略された。なお、更新車(後述)では西武40000系に準じたドアに交換され、こちらは白の化粧板となっている。また、窓ガラスがUVカット仕様に変更されたため、カーテンも省略された。方向幕は種別のみフルカラーの白色LEDを採用した。一方で、側面方向幕は0番台の3色LEDと比べて縦幅が狭くなっている。これはリニューアルで順次9736F〜タイプに交換されている。0番台にはある幌枠は、10両貫通編成であり幌が不要なことからなくなっている。
9736F〜からは車内案内表示装置が従来の一段LEDから日立製の17インチLCDに変更された。当初は1画面だったものの後に広告用画面が新設され2画面になっている。当初は京王のオリジナルデザインだったのがソフト更新によりE233系にそっくりなデザインに変わっている。ただし、E233系と違い現在時刻の表示はない。また、方向幕は全部がフルカラーLEDのものへ変更された。9731F〜9735Fと比べて幅が広いのが大きな特徴である。後に0番台もこのタイプに交換されたが、30番台と比べて色の劣化が激しい。
8両編成は併結が可能で、新宿方に7000系の2両編成を併結して10両で運用されることもある。6000系2両編成の全廃までは、6000系を併結することがほとんどだった。これは9000系と7000系の相性が悪かったためと言われているが、真相は不明。
運用[編集]
0番台[編集]
8両時は京王八王子・高尾山口方面の各駅停車や休日の競馬場線を中心に運用される。10両時は各駅停車に加え特急や急行でも運用される。
30番台[編集]
都営新宿線直通運用をメインに、特急などの線内運用でも使われることがある。
改造[編集]
方向幕フルカラーLED化[編集]
0番台に施工。元々は3色LEDだったものを30番台後期と同様のフルカラーLEDに交換した。
前照灯LED化[編集]
ハロゲンだった前照灯を小糸花形LEDに交換した。2020年度より0番台、30番台の順に施行され、2024年2月に9745Fが交換されて全編成への施工が完了した。
運行番号表示機更新[編集]
30番台後期車および前期のリニューアル車に施工。交換後の運行番号表示機は白色の表示も可能だが、通年でオレンジ色にされている。
リニューアル[編集]
2024年8月に9731Fがリニューアル工事のため若葉台に入場した。元々同編成はサンリオのフルラッピングであったが、更新の際に一度外され、リニューアル工事後ラッピングを新しくして2025年3月10日より営業運転を開始[1]。現状ではフルSIC VVVFへの更新、ドアと行先LEDの交換、内装の更新では全車両にフリースペースを設置、座席モケットの貼り替え・座面にバネを追加などが行われているようである。一方でドアエンジンは未更新。試運転では内装は内側からフィルムが貼られて隠されていた。こんだけ期待させておいてLCDなし[2]。ついでに8000系では設置されたドア開閉予告ランプも設置されなかった。ほとんどの現代人は電車に乗る前に事前にスマホでルートを調べるし、電車内でもスマホを見ており、LCDを見ないため、LCDを設置する必要性は薄れてきているのかもしれない。8両編成も時期は未定だがリニューアルを検討している[3][4]。
近い世代の車両[編集]
- 東京都交通局10-300形電車 - 都営車
- 京王1000系電車 - 井の頭線用
- JR東日本E231系電車 - JR東日本車
出典[編集]
- ↑ ハローキティをはじめサンリオキャラクターのラッピングトレインがリニューアルし3月10日(月)から運行開始!
- ↑ [1]←公式X
- ↑ “ダブルリニューアル”な京王9000系 新サンリオキャラクターのラッピングトレイン大公開! レイルラボ、2025年3月9日
- ↑ 京王線の「主力車両」が一新!“新車並み”車内に大変化 あと何年使うの? 乗りものニュース、2025年3月8日