京王7000系電車

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数年ぶりの7000のHM
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京王7000系電車(けいおう7000けいでんしゃ)は、京王線系統に在籍する京王電鉄の鉄道車両の1形式。

登場の経緯[編集]

6000系と同時並行で増備する形で、各駅停車用の直接代替のために1984年に登場した。

車体[編集]

京王で初めてオールステンレス車体を採用し、コルゲートが浮き出ている。後期製造車はビードプレス加工がなされた。車体寸法は6000系と同一で、20m級4ドアの軽量ステンレス車は日本初となる。

内装[編集]

当時の京王の標準であった白系の内装を採用。座席にはキルティング加工がなされ、1人あたりの専有スペースが明確化された。

機器類[編集]

界磁チョッパ制御を採用。直列14段・並列11段で、ユニット相手がいない場合は直列14段のみ使用するなど、6000系と同一品のものを使用する。ブレーキ方式は電気指令式ブレーキとされた。

増備[編集]

当初はまず3M2Tの5両編成で12本が登場し、1986年には5M3Tの8両編成3本が製造された。5両編成は1987年にデハ7050を組み込み6両化された。

1987年からはビードプレス車体で8両編成5本が製造された。1990 - 92年にはコルゲート車6両編成7本が8両化された。

1993年から94年には4両編成、2両編成各5本が製造され、編成単位での増備が終了。1996年にはビードプレス車体の8両編成が10両化され、計190両体制となったところで増備は終了した。

改造・組み換え[編集]

当初はえんじ色の帯を纏っていたが、2002年から8000系と同一の京王カラー帯に変更されている。2001年に後述のリニューアル工事が施行された7701Fは、その時点で京王カラー帯に変更された。

7801F・7802F・7421F・7422Fの4連と2連各2本はワンマン化され、それぞれ動物園線、競馬場線の6000系を置き換えた。その後、7801Fは2011年から動物のラッピングが施され、2015年には内装にも動物をデザインした装飾がされている。また、2018年からはピンクを基調としたフルラッピングに変更されて運行している。

2001年からはリニューアル工事が始まり、バリアフリー化を始めとした内装更新が行われ、2012年までに全車が完了した。

2003年からはVVVF化が始まり、全車がMT比1:1となったため、電装解除車も現れた。こちらも2012年までに全車が完了し、これにより京王電鉄の旅客車から直流電動機が全滅した。

7803Fと7804FはいずれもVVVF化時にパッとビジョンが設置されたが、いずれも2023年に撤去され通常のリニューアル工事で設置されたLED式のものに変更されている。

編成組み替えも10連運用の増加により進められ、8連6本と6連1本が10連4本、6連1本、4連2本に組み替えられている。一部の車両はリニューアル工事とVVVF化も同時施行され、これと同時に電装解除車や再電装車も現れた。

2017年に8両編成の7708F、7709Fが中間のサハ2両を廃車し4M2Tの6両編成とした。3M3Tとならなかったのは元から6連のデハ7000が単独ユニットだったのに対し、8連のデハ7000はデハ7050とユニットを組んでおり、大掛かりな改造を行わないと3M3Tにはできないためと思われる。

2019年初旬に、ビートプレスで方向幕が残っていた7801 - 7805Fと7421 - 7425Fの行先表示器がフルカラーLEDに変更された。ただし、表示器は更新工事の際に設置された7721 - 7725Fのものとは異なる。

運用[編集]

京王線系統の全線で運用され、動物園線と競馬場線のワンマン運用は本系列が全て担う。現在はワンマンを除く全ての編成が何らかの形で10連を組むため、優等列車中心で運用される。本系列単独や2本併結の他、9000系8連に2連が併結した運用も存在する。

廃車[編集]

先述の通り2017年より8両編成の6両化が始まり、先述の4両が同形式初の廃車となった。同年12月からは7706Fを皮切りに編成単位での廃車も発生し、2019年1月に7707Fが廃車となったのをもって8両編成が全滅した。2020年1月には7729Fが廃車となり10両編成にも廃車が発生、さらに2022年9月には7708Fの残った6両も廃車となった。

2023年7月には一時期陣馬HMが掲げられていた7705Fが廃車解体となり、代わりに7709Fが7805Fと組むようになった。これにより7000系の各駅停車は以前より見る頻度が減った。同年9月には初代7702Fから組み換えた7806Fも廃車。4両編成初の廃車であり、最古参ペアが消滅した。2024年2月には7709Fの残った6両も廃車となり、4M2Tの編成が再び姿を消した。

今後[編集]

京王では6+4や8+2の分割編成を随時減らしていく方針を示したため、5000系やその他新車の増備により2026年度までに6両と非ワンマンの4両、2両は廃車されるものと予想される。ワンマン対応車や10両も安泰とは言えず、前者は10両化のあおりでホーム改修の上、ワンマン編成を6両以上に増車する[注釈 1]可能性もあり、後者も必然的に分割編成全滅後の代替対象となり得るため、予断を許さない状況にある。

注釈[編集]

  1. 1つの可能性としては、9000系の8連を6連と10連に組み替え、6連をワンマン化するパターンが挙げられる。

近い世代の車両[編集]

関連項目[編集]