フロッピーディスク
フロッピーディスク(floppydisk)とは、パソコン用の記録媒体である。2022年現在はほとんど絶滅している。略称はFD。あるいは単にフロッピーとも言う。
概要[編集]
フロッピーとは、「はためく」という意味で、ペラペラの磁気ディスクをプラスチックのカバーで覆ったもので、パソコンに挿入したフロッピーディスクの読み込み時と保存の際にガリガリと音がした。
また、磁気式定期券同様、データ喪失しないように保存場所に気をつける必要があったほか、フロッピーディスクを刺しっぱなしにしてパソコン(特にWindows)を起動しようとするとBIOSがフロッピーを参照してしまうことが多く、HDDにインストールしたOSが立ち上がらないという現象も多く発生した。
このディスクは、1970年にIBMが発売し、8インチ(およそ20センチ)と大きい割には、容量は128キロバイトに過ぎなかった。やがて、CDと同じくらいの5.25インチ型が発売され、日本のパーソナルコンピュータではカセットテープによるデータ保存を代替するようになった。
1980年にはソニーがポケットに入る3.5インチ型を発売。容量も最大1.44メガバイトに増加して、3.5インチ型対応のFDドライブはパソコンに不可欠なデバイスとなり、ワープロ専用機にも装備された。
生産数のピークは1996年で、25億万枚を記録したのだが、それ以降は保存容量がさらに大きいCD-RやDVD、USBフラッシュメモリーの普及に押されだし、2001年には10分の1以下に低下していき、パソコン用のFDドライブは2011年に生産終了となった。
2022年現在ではパソコンで使うオフィス用ソフトの保存のマークには、FDのアイコンが使用されている場合がまだまだ多い。
専門職以外にも広く普及し、知名度も高かったことからレガシーデバイスの代表格とされることもある。
その他[編集]
行政手続きにおいて、データをフロッピーディスクに収めたうえで提出を求める法令などが2024年6月時点で残っていたが、6月28日付の省令改正によって行政手続きのフロッピーディスクの利用がすべて撤廃された。なお、これに関して政府やマスコミは「アナログ規制の撤廃」と表明しているが、フロッピー自体はデジタル技術である。本来であればアナログではなくアナクロがふさわしい言葉であるが、日本の政府やマスコミの理解度など所詮この程度のものでしかないのである。
なお、本当の意味でのアナログフロッピー自体は存在しており、1981年にソニーが開発したマビカをはじめとする電子スチルビデオカメラ用の記録媒体として開発されたものであるが、あまり普及しなかったものである。