バイトテロ

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バイトテロとは、飲食店などで雇われているアルバイト従業員によって動画投稿された不適切行為である。
なお、バイトテロは日本で生まれた言葉であるが、類似の事例はアメリカなどの海外でも発生している。

概要[編集]

アルバイター自身が職場で悪ふざけを行った様子を撮影し、自らTwitterなどのSNSに投稿する行為である。
商品を陳列してある什器に寝そべったり調理器具食器洗浄機などに対して不衛生な行為をしたり、食材で遊んでいる行為などが多く見受けられる。
このような行為は社会通念上で著しく不道徳な行為であり、批判的なコメントが殺到することで炎上する。炎上により、バイトテロの当事者だけでなく、店舗の管理者やオーナー会社まで管理責任を問われることで閉店やフランチャイズの解消などにつながるケースもある。

SNSや動画投稿サイトに投稿される不適切動画のうち、従業員が自ら迷惑行為を行っているものを指すことが多い。一方で迷惑な客に対する行き過ぎた対応については同情的なコメントも寄せられ、逆に客側が炎上することも珍しくないため該当しないとの見方が一般的。
バイトテロは実行者だけの解雇で済む問題ではなく、悪ふざけに使用された器具の入替を余儀なくされたり、食材であれば冷蔵庫の中身をすべて廃棄しなければならない場合もある。器具の入替をする間は営業ができなくなり、店舗の収入は減り、信用も失ってしまう。関係者への慰謝料を支払うほか、個人経営の店舗の場合は閉店に追い込まれるケースもある。

なお、一部では意図的に職場に危害を与えることを目的とする「本物のテロリズム」に基づいたバイトテロが発生する危険性があり、従業員の労働環境改善を積極的に行うべきとの指摘もある。

事例[編集]

  • 2007年 吉野家
    • バイトテロという名前が定着したきっかけとなる事件とされ、通常の豚丼以上に豚肉を盛り付け「テラ豚丼」と名付けただけでなく、使用した肉を鍋に戻したことで苦情が殺到した。
  • 2013年 ローソン
    • 高知県のとあるローソンにて、アルバイト店員がアイスケースに入って寝そべった様子を撮影し、Facebookに投稿した事件。ローソンは当該店舗のフランチャイズ契約を打ち切った。
  • 2013年 秦尚
    • 東京都で営業していたこの店の店員(大学生)が業務用の食器洗浄機や冷蔵庫に入った様子をTwitterに投稿。たちまち炎上し、同店には「不衛生だ」という苦情が殺到したためやむを得ず営業を休止した。なおこの泰尚は前年に社長が亡くなっており、社長の妻が事業を引き継いで会社を再建している途中の出来事であった。その後の同店は営業を再開することなく破産開始手続き開始の決定を受けることになった。数あるバイトテロの中でも有数の後味の悪さを持つ事件である。
  • 2013年 ピザーラ
    • 東京都のフランチャイズ店でキッチン冷蔵庫などに入ったりピザ生地を顔面に張り付けて遊ぶ様子の写真をTwitterに投稿。当然ながら炎上し、同店の営業停止や食材の破棄、冷蔵庫の消毒清掃などを余儀なくされた上、フランチャイズ点を経営していた企業は破産した。なお、この実行者の従業員は同時期に西友の商品陳列棚に入り込むなどの迷惑行為を行っており、さらなる炎上を招いた。
  • 2018年 大戸屋ごはん処
    • 下半身を盆で隠した様子(つまりアレが盆に直に接触している)を撮影した動画が2019年にTwitterで拡散され、当該従業員の解雇、全点一斉休業による店舗清掃と従業員研修を余儀なくされた。
  • 2018年 大和ハウス工業
    • 同社の下請けの水道設備会社のさらに下請け(つまり孫請け)の会社の従業員がアパート受水槽内で泳ぐ様子を動画サイトに投稿。受水槽はアパートの各部屋の水道につながっており、水道から出た水をそのまま飲んだ場合を想像すると...。事態を把握した大和ハウス工業は被害届を提出。水道設備業者は下請けの会社に対して受水槽交換費用や入居者への慰謝料、この事件により受注量が減ったことを理由に損害賠償を求める裁判を起こしている。なお、当該会社は「泳いだ後、排水して洗浄しており、実害はない。取引停止との因果関係も不明」と反論している。バイトテロがバイトでなく会社単位で起こされた稀有な例である。

炎上との関係[編集]

投稿直後は注目もされず炎上していない場合もあるが、時間を経て炎上するケースも珍しくない。2018年は上記の大戸屋ごはん処をはじめ、2018年の問題投稿が2019年に炎上するケースが続出していた。また、一つの事件が注目されると他の類似行為にまで波及し、集中して炎上することが多いのも特徴である。特に近年は炎上をあおるようなインフルエンサーの存在もあり、店舗や企業の予想もつかないような行為で炎上するケースが後を絶たない。所謂「正義中毒」のような反応も多くみられており、行き過ぎた(批判にすらなっていない)暴言は許されるものではないため、触れないのが正しいともいえる。

関連項目[編集]