ピザ

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ピザは、発酵したピザ生地の上に具材を載せて焼く食べ物である。

概要[編集]

ピザには日本でいうお好み焼き的な地方性があるため、何をもって「ピザ」と呼称するかという点には議論がある。「ナポリの『ピッツァ』こそがピッツァである」という意見もある[1]
なお、ピッツァは軽食にあたるが、スパゲッティ前菜とされる。

立ち位置[編集]

「ピザ」=「パイ」という印象が一九六十年代の日本では一般的だったが、ナポリあたりでは「トースト」と「お惣菜パン」と「クロックムッシュ」あたりの立ち位置らしい。「真のナポリピッツァ協会[2]」は、「ピッツァは生地を味わうものである」と断言している。確かにピッツァは小麦粉と塩とイースト以外は入れてはいけない、とかいった縛りがあるため、フランスパンの一種であるバゲットのような「リーンパン」に属すといえる。「焼きたての強いパンの香り」が尊重されることからも、そのことが窺える。パンを参照のこと。

具材[編集]

意外なことに、チーズとトマトは必須ではない。おそらくオリーブオイルは必須だろうが、ピッツァは「地中海料理」にカテゴライズされるので、「ないと物足りない」という話であろうと推測される。チーズを使わないピッツァもあり、パン粉をオリーブオイルで炒めたものが使われる海鮮系のピッツァもある。
なお、馬鈴薯はピザの具材として合う。まだ試したことはないが、「ポテサラピザ」は美味いかもしれないと思いつつ、美味かったら美味かったでトラウマになりそうなので試みられない。勇気のあるかたは#家庭におけるレシピの項を参考のこと。

家庭におけるレシピ[編集]

ちゃんとした店で作られたものには及ばないが、家庭でも作れる。
ただしバジルは生のものが望ましいので、バジルの栽培から始めないとマルガリータは作れない(ただし、乾燥バジル粉末でも、それらしきものは作れる)。
特徴としては(「真のナポリピッツァ協会」によれば)、

  1. 精白された小麦粉(「00」と呼ばれる)を用いる
  2. 岩塩ではなく、海水塩を用いる
  3. まず塩水(3%と指定されているが、日本人には 1%程度でも充分である)を用意し、そこに(篩った)小麦粉とイーストを入れる
  4. 手で捏ねる。緩くてまとまらないときは粉を足す。
  5. 一次発酵ののち、一人前づつに分けてから再度捏ね、二次発酵させる。発酵時間は気温による
  6. 円盤状に伸ばす。このとき、「額縁(コルニチョーネ)」と言われる縁をつける
  7. 具材を載せて焼く

といったプロセスを経て完成とされる。面倒臭い場合は、冷凍ピザもある。
専門店は専用のピザ竈で焼かれるが、家庭では家庭用のガステーブル/ガスレンジのレンジとグリルで焼き上げれば、そこそこ食えるものができる。電子オーブンで焼くと、冷めるまで電子レンジとして使いづらいという欠点がある。

ピザ窯[編集]

ピザ窯は、オーブンというよりも、反射炉の一種である。
いわゆるオーブンは、保熱性のある竈の中で薪などの燃料を焚き、灰を掻き出してから余熱で加熱するもの[3]であるが、ピザ窯は燃焼室の上に調理室があり、調理室の手前に排気口(煙突)があるという構造になっている。
こうした反射炉は鉄鋼の鋳造にも用いられたため、長崎の砲術奉行であった高島秋帆や韮山の反射炉を築いた江川太郎左衛門英龍(して「坦庵」)などは「日本のパン祖」とも称される。
ピザ窯はピザしか焼けないわけではなく、パンパイも焼ける。いわゆる「雑木林」のある地方では、ピザ窯と竈は公共の場所にあってもいいと考える。

余談[編集]

日本における「寿司」と同じように、「風が当たっても味が落ちる」と言われているのがピッツァとパスタ(スパゲッティ)である。
日本では「どうぞお召し上がりください」だが、ピッツァとパスタに限っていえば、無言で卓上にドスンと置くのが定法である。で、それを放ったらかしてベチャベチャ喋っていると、ピッツェリアの店主や御家庭の主婦に「喰え!(マーンジ!)」と注意される。

脚注[編集]

  1. 「真のナポリピッツァ協会」では、「真のナポリピッツァに関する十戒」https://japan.pizzanapoletana.org/file/decalogo_jap.pdf を定めている。
  2. 真のナポリピッツァ協会 ― 日本(https://japan.pizzanapoletana.org/)
  3. 「魔女の宅急便」に登場する。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 「真のナポリピッツァ協会」日本支部著『真のナポリピッツァ技術教本 改訂版』(旭屋書店)