ジャワトラ
ジャワトラ(学:Panthera tigris sondaica 英:Javan Tiger)とは、絶滅したトラの亜種である。
概要[編集]
ジャワ島に生息していた。
全長2.3m。オスの平均体長は248cmで、体重は100kgから141kgであった。雌は雄よりも小さく、体重は75から115kgである。
スマトラトラに似ているが、ほおと耳の内側の毛が長い。
ユーラシア大陸のトラに比べると小さいが、バリトラよりは大きく、スマトラトラに近い大きさである。
細長い縞があり、スマトラトラよりもやや多い。
主に哺乳類を食べ、水鳥や爬虫類はあまり捕食しなかったという。
第二次世界大戦になる前は、インドネシアのいくつかの動物園でジャワトラが飼育されていた。
2017年に頭骨の比較や分子系統解析からインドネシアのスンダ諸島に生息するもの3亜種は同亜種で、2亜種はP. t. sondaicaのシノニムになるという説が生まれた。
遺伝子的には、3亜種は独立亜種とされる。[1]
絶滅[編集]
ジャワトラはかつてジャワ島の大部分に生息していた。
20世紀初頭、ジャワ島にの人口が2800万になり、その所為で米の生産量が不足していたため、トラの殺戮が増加した。
1938年には、島の23%を森林は占めていたが、1975年になると森林が8%しか残っておらず、ジャワ島の人口は8,500万人に増加した。
1970年頃には、ジャワ島南東部の最高峰メル・ベティリ山周辺でしか確認されなかった。
1972年、500平方キロメートルの地域が野生動物保護区に指定されたが、1976年を最後にジャワトラの目撃は途絶えた。
原因は、トラとその獲物が毒殺されたり、開発やコーヒーやゴムの植林、インフラ整備で、ジャワトラが生息するのに適さなくなっていったり、1965年以降の内乱期には、武装集団が保護区で、残ったトラを殺害したことが原因とされる。
その後も目撃情報があるが、ジャワヒョウを見間違えたのではないかと言われている。