サケガシラ

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サケガシラ
分類
動物界
アカマンボウ目
フリソデウオ科
サケガシラ属
サケガシラ
名称
学名Trachipterus ishikawae
Jordan & Snyder 1901
和名サケガシラ
英名Slender ribbonfish
保全状況


サケガシラは、アカマンボウ目フリソデウオ科に属する深海魚である。

概要[編集]

北海道高知県沖、沖縄県台湾の沖合の200~500mに生息する[1][2][3][4][5][6]

肉に味がなく、加熱すると肉がゼラチン状になる[7]

名前の由来は、「サケの群れを連れてやってくる」という伝説に由来する説[7]と頭が裂けたように見えるからという説がある[8]

日本側の海岸では、冬の荒天時に打ち上げられることがある[5]。打ち上げられると地震が起きるという伝承があり「地震魚」と呼ばれる[9]

体を斜めにし、背びれで立ち泳ぎする[10]

形状[編集]

体は銀白色で鰭は朱色。最大2.7mになる[6]。体に鱗は無い[8]

背鰭は眼の上から尾まである。尾鰭と腹びれは小さく、しりびれは無い[8]

水圧に押しつぶされるため浮き袋は持たない[10]

深海が光が乏しいため、目の直径は、5cm以上になる。

口吻は、下に向かって突き出る[7]。幼魚には黒斑がある[11]

背鰭棘は180~185本で、胸鰭棘は12~13本、尾鰭棘は9本である。

近縁種との違い[編集]

リュウグウノツカイ
リュウグウノツカイは、背鰭の第1~6つめの節と腹鰭が糸状に伸びているが、サケガシラは伸びていない。また腹鰭が小さく、口が下端にある[3]
テンガイハタ
テンガイハタは、体側に5個の黒斑がある[8]
また頭部の背縁から吻部の傾斜は、テンガイハタが急だが、サケガシラはゆるやかである[1]

分類[編集]

本種は、1901年にジョルダンとシュレーゲルによって新種記載された[12]。タイプ産地は、東京湾口沖で、三崎と房州の間である。種小名は、日本の動物学者である石川千代松博士に由来する。

サケガシラ属の分類は諸説あり、本種はテンガイハタのシノニムとする説も存在する。

脚注[編集]

出典
  1. a b 珍魚採集報告第114号 サケガシラ”. 東京都島しょ農林水産総合センター. 2022年4月9日確認。
  2. “珍しい深海魚「サケガシラ」捕獲 播磨灘”. www.sankei.com (産経新聞). (2019年5月14日. https://www.sankei.com/article/20190514-BCIVIHQEPVK4JBDLHBLBFIPABY/ 2022年4月9日閲覧。 
  3. a b リュウグウノツカイ近縁種「サケガシラ」の偶発的漁獲について”. 新潟市水族館 マリンピア日本海. 2022年4月9日確認。
  4. “何かの異変?深海魚サケガシラ、相次ぎ見つかる : 科学 : YOMIURI ONLINE”. www.yomiuri.co.jp (読売新聞). (2013年1月23日). オリジナル2013年1月26日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130126085059/http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130122-OYT1T00229.htm 2024年1月27日閲覧。 
  5. a b サケガシラとおもわれる魚の写真を送っていただきました。”. 国立科学博物館魚類研究室. 2022年8月28日確認。
  6. a b Trachipterus ishikawae”. FishBase. 2022年8月28日確認。
  7. a b c 澤村正幸「アカマンボウ目の珍魚2種:テングノタチとサケガシラ」、『北水試験だより』第79巻、2009年、 25頁、2022年4月9日確認。
  8. a b c d 持ち込まれた魚(平成26年3月19日)サケガシラ”. 新潟県ホームページ (2019年9月2日). 2022年4月9日確認。
  9. サケガシラが漂着しました”. 美の国あきたネット (2014年7月3日). 2022年4月9日確認。
  10. a b 熊木豊 (2008年11月7日). “丹後の海の生き物(サケガシラ)”. 京都府ホームページ. 2022年4月9日確認。
  11. 武田寛史 (2014年5月30日). “富山湾でサケガシラ幼魚 23日に続き2例目:富山”. www.chunichi.co.jp (中日新聞). オリジナル2014年6月27日時点によるアーカイブ。. https://archive.ph/1HKkO 
  12. Jordan, D. S.; Snyder, J. O. (1901). “Descriptions of nine new species of fishes contained in museums of Japan”. Tokyo Teikoku Daigaku kiyo (Tokyo Teikoku Daigaku) 15: 301-311. https://biostor.org/reference/57646.