コロナ世代
コロナ世代とは世代の一つ。一般的に2019年に発生し、2023年現在流行している新型コロナウイルスの影響で日本の学校が休校となった時期に小学生~高校生であった世代を指す。2001年(平成12年)4月2日から2014年(平成26年)4月1日生まれの人が該当するとされる。
リクルート進学総研が、全国の高校生を対象に実施した意識調査で「自分たちの世代の名前」を尋ねたところ、「コロナ世代」とまとめられる回答が10・7%で最も多く、自らがコロナ世代であると自覚していることが分かった。テレビでゴリ押しされているアメリカのジェネレーションZの日本語訳である「Z世代」(8・8%)を上回る結果となった。[1]
定義
新型コロナウイルス(COVID-19)発生によって休校を余儀なくされた世代である。インターネットを中心に広まったとされる。フジテレビのイット!などで取り上げられて広まったとする説もある。[2]
特徴
小学校から高等学校では、休校中に家庭環境によって生じる学力格差、ひいては入試、特に制度変更も予定されている大学入試でも不利益を被ると予想される児童・生徒たちを総称して、早くも「コロナ世代」という呼び方が広まりつつあるとしている。[3]
「コロナ世代」の特徴は2020年3月~2020年5月の学校休校により教育格差が深刻な問題になったとされている。[4]
新型コロナウイルスによりオンライン教育や休校の解除時期の全国不統一により学習進度に差が出ていることも指摘されている。[5]
また、学習機会の喪失により生涯賃金に影響が出るとの指摘も出ている。[6]
世界銀行はコロナ禍による学級閉鎖などによる学力低下により、世界全体の損失額が17兆ドル(約2千兆円)に上る可能性があるとの試算結果を公表した。[7]
国立大学の7割が一般選抜の2次試験で「発展的な内容を出す際は補足説明を付ける」などの特別な対応をとるとしており、3か月の休校による学習の遅れと学力の低下が浮き彫りとなった。[8]
長期に渡る休校により学業への影響、運動不足、食育への影響が指摘されている。[9]
コロナ対策による質素な「簡易給食」で「コッペパン1個と牛乳1つ」の場合もあり、栄養不足による体の成長への悪影響、学力や運動能力の低下が懸念されている。 [10] [11]
コロナ世代のいじめや暴力や不登校が問題になっている。
2019年度に全国の小中高校などでいじめを認知した学校数は全体の82・6%で過去最多。いじめの認知件数は61万2496件で過去最多。
暴力行為の発生件数が7万8787件、不登校の小中学生は18万1272人でいずれも過去最多となっており、深刻な問題となっている。[12]
2021年の小6の直角三角形の面積の求める問題の正解率は55%しかなく、教育界に激震が走った。[13]
2022年の共通一次テストの数学I・Aの平均点がわずか38点であった。[14]
また、小学6年と中学3年を対象とした2022年度の全国学力・学習状況調査では、中学校で平均正答率が5割を切った。文科省は「絶対値で5割を切るのは多くの課題を示唆している」と指摘。休校による学力低下が顕著に出ている。[15]
受験生の3分の2が第1志望の大学に進むとされており、人口減により受験のハードルが下がったため、コロナ世代全体のレベルの低下に繋がった。[16]
コロナ世代は史上最低の有効求人倍率だったリーマンショック世代[17]とは違い採用抑制の影響を受けていない。[18]
コロナ世代のモンスター新人が社会問題になっている。就業中にスマホで音楽を流したり、接客態度を注意すると「録音しますね」と脅すなど。[19]
年表
脚注
出典
- ↑ 自分たちは「コロナ世代」 弱みは対面の会話 高校生意識調査
- ↑ フジテレビ イット!"コロナ世代"二度と戻らない高校時代の青春(2020年5月7日放送)
- ↑ “「コロナ世代」だけじゃない、見えてきた大学の光と影” (日本語). 2023年1月27日確認。
- ↑ “「コロナ休校」で教育格差が深刻化…ゆとり世代を超える問題に(週刊SPA!)” (日本語). 2020年5月27日確認。
- ↑ “今後コロナ世代はどんな影響を受けるのか?”. 2020年5月27日確認。
- ↑ “コロナ世代の子供たちが負う「2カ月休校で生涯賃金300万円減」の枷 失った学習機会は一生取り戻せない” (日本語). PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) (2020年4月22日). 2020年5月27日確認。
- ↑ “学力低下で2000兆円損失 コロナ禍で生涯収入減、世銀警鐘」” (日本語). 2023年1月27日確認。
- ↑ “国立大の7割が2次試験で配慮 出題範囲を縮小、中止も” (日本語). 2023年1月27日確認。
- ↑ “【医師監修】「コロナ世代」と呼ばれる子供たち。将来の健康二次被害は!? – 工藤内科 l ブログ” (日本語). 2020年5月27日確認。
- ↑ “コロナ対策「簡易給食」 量が少ない・あまりに質素 保護者から疑問” (日本語). 2020年7月4日確認。
- ↑ “「コッペパン1個と牛乳1つ」で波紋、戸田市の学校給食 育ち盛りなのに…意外な理由とは” (日本語). 2021年9月8日確認。
- ↑ “いじめ過去最多、82%の学校で 生徒ら317人が自殺” (日本語). 2023年1月27日確認。
- ↑ “「正解率は55%」教育界に激震…小6が直角三角形の面積を求める問題に大苦戦する理由”. 2023年5月6日確認。
- ↑ “基礎的な試験というより「処理能力を測る試験」” (日本語). 2023年1月27日確認。
- ↑ “全国学力テスト、中学理科は正答率5割切る 文科省「多くの課題」」” (日本語). 2023年1月27日確認。
- ↑ “大学入試、偏差値時代終幕の足音 推薦・総合型が過半に” (日本語). 2023年1月27日確認。
- ↑ 有効求人倍率の推移(全国平均)
- ↑ “コロナで打撃も…企業がリーマンショック時のような「採用抑制」を避けたワケ” (日本語). 2023年1月27日確認。
- ↑ “Z世代のモンスター新人が話題 「就業中にスマホで音楽を流す」「接客態度を注意すると…“自衛のために録音しますね”」”.
関連文献
- 今後コロナ世代はどんな影響を受けるのか?マーキャリ(2020年5月27日閲覧)
関連項目
参考画像
- フジテレビ イット!"コロナ世代"二度と戻らない高校時代の青春(2020年5月7日放送)
外部リンク
COVID-19(2019年の新型肺炎) |