クサビフグ

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クサビフグ
分類
動物界
脊椎動物門
条鰭綱
フグ目
亜目フグ亜目
マンボウ科
クサビフグ属
クサビフグ
名称
学名Ranzania laevis
(Pennant, 1776)
和名クサビフグ (楔河豚)
英名Slender Sunfish
Oblong Sunfis
Ranzania
Short Sunfish
Slender Mola
Trunkfish
保全状況
IUCNレッドリスト低危険種 (IUCN 3.1)
ワシントン条約付属書 II

クサビフグとは、フグ目マンボウ科に分類される海水魚である。

形状[編集]

体長は、70cmほどで、最大1mにしかならず、マンボウの仲間の中で最小[1]

体がくさび状で、背鰭と臀鰭・胸鰭が細長い[2]。体色は銀色。上部は青みがかっており、青や灰色、茶色、緑などの縞や点が入る。目の下から腹面にかけてに黒い縞がある。皮膚は薄く唇は漏斗状。

マンボウの中で原始的な種である[3]

マンボウ科の多種と比べ、幼魚が見つかる事が多いため、クサビフグはマンボウ科の中で一生が一番分かっている種である。

生態[編集]

大西洋南部・西部や太平洋南部・西部、インド洋の水深1~140mに生息する[1]

群れで見つかることも一匹で見つかることもある[2][3]

分類[編集]

クサビフグは、クサビフグ属に分類される唯一の現存種である。

本種は、1776年にトーマス・ペナントが新種記載した。記載時はハコフグ属(Ostracion)とされた。

人間との関係[編集]

マリンピア日本海で剥製が展示されている。

名称[編集]

名前の通り、クサビフグは広義のフグの仲間(=フグ目)であるが、当時もマンボウの仲間とされており、何故かフグにしたのか不明である[2]

この名は、1913年田中茂穂が命名した[4]

だが、命名者の田中も1930年代になると「クサビマンボオ」「クサビマンバウ」と表記するようになった。

然し、学者の間で、標準和名という概念が定着し、「クサビフグ」という和名の方が有名だったため、命名者も1950年代からはクサビフグと表記するようになった[2]

飼育[編集]

水族館で、飼育されることはめったになく、今までに飼育されたのは2005年アクアワールド茨城県大洗水族館での飼育例のみである[2]

このアクアワールドのクサビフグは、8月3日に同水族館に運ばれ、飼育されたが、翌日の8月4日に死んでしまった[2][5]

脚注[編集]

出典
  1. a b Froese, Rainer; Pauly, Daniel (eds.) (2006). "Ranzania laevis" - FishBase. 2006年4月のバージョン。
  2. a b c d e f 澤井悦郎 (2020年6月24日). “謎多き「手のひらサイズのマンボウ」本名クサビフグの知られざる歴史”. withnews.jp (朝日新聞社). https://withnews.jp/article/f0200624002qq000000000000000W06910201qq000021366A 2023年2月23日閲覧。 
  3. a b 澤井悦郎 (2022年10月21日). “縦長の口をもつ珍魚クサビフグ”. lab-brains.as-1.co.jp (アズワン株式会社). https://lab-brains.as-1.co.jp/enjoy-learn/2022/10/38161/ 2023年2月23日閲覧。 
  4. D. S., Jordan; S., Tanaka; J. O., Snyder (1913). “A catalogue of the fishes of Japan”. The journal of the College of Science, Imperial University of Tokyo, Japan = Tokyo Teikoku Daigaku kiyo. Rika 33: 1-479. https://www.biodiversitylibrary.org/page/7136236#page/238/mode/1up. 
  5. 鴨川シーワールド「マンボウ類の飼育に関する調査 (A Survey of Keeping Molas in Japan)」、『動物園水族館雑誌』第51巻第3号、動物園水族館協会、2010年4月、 62-73頁。