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ギリシャ国鉄

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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ギリシャ国鉄(ギリシャ語:Οργανισμός Σιδηροδρόμων Ελλάδος、略称:ΟΣΕ(オミクロン・シグマ・イプシロン)、ラテン転写:OSE、以下OSE)とは本社をアテネに置き、ギリシャで鉄道事業を行う国有鉄道会社である。現在は鉄道インフラの保有と管理を行う。

ロゴ

歴史[編集]

始まり[編集]

1920年にそれまでギリシャで運行されていた鉄道会社のほとんどが新たに設立されたギリシャ国鉄(SEK)に統合された。

第二次世界大戦中、ドイツイタリアブルガリアによるギリシャ占領に伴い鉄道車両のほとんどや鉄道インフラが破壊された。

建築家のコンスタンチノス・ドキシアディスは著書『第二次世界大戦におけるギリシャの犠牲者』の中で、ギリシャの鉄道網の損失を要約している。戦前に存在した40m以上の29個あった橋は全て破壊され、それより短い橋も55個が破壊された。

OSEはSEKの後継会社として1973年に設立された。

1975年ピレウス-アテネ-キフィシア間の私鉄による運行の路線を買収した。1977年にギリシャの鉄道網は2502㎞に及んだ。このうち1565㎞が標準軌線、938㎞が狭軌線であった。ギリシャの国土面積に対する鉄道網密度は非常に低く52.75㎞あたり1㎞であった。そして複線区間は3区間(ピレウス-アテネ-キフィシア間(22㎞))、(アテネ-オイノイ間(61㎞))、(テッサロニキ-プラテュ間(38㎞))だけであった。

電化されたピレウス-アテネ-キフィシア間以外はディーゼル機関車による運行が行われていた。同時にいくつかの路線は廃止された。当時はトルコユーゴスラビア経由で中欧へ、ブルガリアルーマニア経由でソ連への国際列車が運行されていた。

そこで1970年代には鉄道は中欧への重要な交通手段であり、ヘラス・エクスプレスがアテネからドイツドルトムントまでを結び、アクロポリス・エクスプレスはアテネからミュンヘンを結んだ。しかし格安航空会社の登場やユーゴスラビア内戦によりこれらの鉄道接続は急激に重要性を失った。1993年以来、ドイツへの国際列車は廃止された。ただし、テッサロニキ-ウィーン間、テッサロニキ-ブダペスト間、テッサロニキ-イスタンブール間で快適な座席を備えるドストルク/フィリア・エクスプレスによって重要性が高まった。

1990年以来[編集]

他のヨーロッパ諸国と異なり、ギリシャでは鉄道は交通手段としてはあまり重要ではなく、理由は主に2つある。第一にギリシャ本土の地形は山がちで、鉄道設備への投資がかんり必要なこと。第二に多くの重要な都市、観光都市は島々にあり鉄道での接続が困難または計画されていないからである。そこで1990年代以降、アテネ-テッサロニキ間の二大都市輸送への集中を行った。そして近代化政策の一環として路線の電化や狭軌線の標準軌化、最高速度200㎞への引き上げが行われた。

2011年2月残っていた国際線のテッサロニキ-イスタンブール、テッサロニキ-スコピエ、テッサロニキ-ソフィアブカレストが経済的理由により廃止された。2014年5月12日にテッサロニキ-ソフィアとテッサロニキ-スコピエ-ベオグラードの国際線が再開した。

近代化[編集]

アテネ近郊の路線が集中的に近代化されたことによって、鉄道は地下鉄と並ぶアテネの公共交通機関の柱となった。現在でも他路線の拡張工事が行われている。

アテネ-テッサロニキ間の電気運転は2019年5月20日に開始され、それまで5時間半を要していたのが、4時間弱で結ばれるようになった。またパトラへの路線は2011年以来廃止された狭軌線に代わる路線が2023年には完成する(過去)。

対照的にギリシャ北西部の鉄道網は山がちな地形と人口のまばらさのために費用対策効果が非常に悪く、計画は長期化すると思われる。1日1往復のあの路線とかね

部分的な民営化[編集]

OSEは部分的な民営化を可能にするために輸送部門は子会社としてOSEから分離し、TrainOSEと名付けられた。2017年にTrainOSEはFerrovie dello Stato Italiane(FS、イタリア国鉄)に4500万ユーロで売却された。2020年にはTrainOSEはHELLENIC TRAINに改称された。旅客輸送と貨物輸送は現在HELLENIC TRAINによって行われている。HELLENIC TRAINがFSに移管された結果一部の車両はイタリア製の機関車が使用されるようになった。

事故[編集]

2023年2月28日ピレウス=プラテュ線で旅客列車が対向の貨物列車と正面衝突を起こし少なくとも57人が死亡、85人が重症を負った。これはギリシャ史上最悪の鉄道事故である。→テンピ鉄道事故

鉄道網[編集]

OSEの鉄道網はペロポネソス半島、ギリシャ中部、マケドニア西トラキアをカバーしており、シチリア島サルデーニャ島に路線網を持つトレニタリアと異なり島々には鉄道路線はない。

現在のギリシャの鉄道網の大部分は標準機である。

バス[編集]

OSEは定期バス路線の運行は行わないが、鉄道代行輸送用のバスを保有しており、旅行プランの一部としても使用される。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]