カワニナ

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カワニナ
分類
カワニナ科
カワニナ属
カワニナ
名称
学名Semisulcospira libertina
和名カワニナ (川蜷)
保全状況


カワニナとは、ヘイケボタルゲンジボタルなどの蛍(ホタル)類の餌となるカワニナ科の巻貝である。ただし幼虫が陸棲の蛍もいて、キセルガイなどを捕食している場合がある。

形状[編集]

貝殻は、タニシと異なり、縦に長い。
チリメンカワニナに似るが、本種は殻の表面滑らかである事で見分けられる。

生態[編集]

日本全国・朝鮮半島・中国・台湾に分布する。

ハイキュウチュウの第1中間宿主である。

人間生活との関わり・利用[編集]

食用ともされるが、それほど一般的ではない。むしろ観賞用水槽のタンクメイトとして飼われる。同じような利用をされる貝類にはレッド・ラムズホーンやイシマキガイがいるが、サカマキガイモノアラガイ(これは、水草にくっついてきて自然にいる)とカワニナを同一の水槽で飼っていると、水質の変化が如実にわかる。水質がよくなるとサカマキガイが減ってモノアラガイが優先し、水槽表面に珪藻が生えてきて底砂の活性汚泥が減ってくると、カワニナが活躍してくれる。

分類[編集]

2018年の研究で、是迄「カワニナ (S. libertina)」とされてきたものには、L 1~4グレードの4群に分かれるとされた[1]。L1〜3クレード間の単系統性と分岐度から、これらのクレードは別種とされる。

L1は日本の東側に分布し、L2は日本の西側、L3は韓国で見られた。チリメンカワニナ(S. reiniana)は、L2に含まれる。

ミトコンドリア分析からは、カワニナはmt-a1〜mt-a3の3群に分かれ、L1〜3グレードに対応する。mt-a2の大部分はL2だったが、東海地方のものはL4と同定された[2]

脚注[編集]

  1. Osamu, Miura; Misako, Urabe; Tomohiro, Nishimura; Katsuki, Nakai; Satoshi, Chiba (2018). “Recent lake expansion triggered the adaptive radiation of freshwater snails in the ancient Lake Biwa”. Evolution Letters 3 (1): 43-54. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/evl3.92. 
  2. Osamu, Miura; Misako, Urabe; Hideaki, Mori; Satoshi, Chiba (2020). “Ancient drainage networks mediated a large-scale genetic introgression in the East Asian freshwater snails”. Evolution Letters (ESEB) 10 (15): 8186-8196. doi:10.1002/ece3.6523. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ece3.6523.