カジノ (映画)
『カジノ』(原題:Casino)は、1995年に公開されたアメリカ映画。監督はマーティン・スコセッシ、主演はロバート・デ・ニーロ。原作はニコラス・ピレッジのノンフィクション作品『カジノ』(1995年)。
概要[編集]
マフィアに支配されていた70年代のラスベガスのカジノの裏舞台を描く。ロバート・デ・ニーロが演じる賭博師サム・“エース”・ロススティーンはフランク・"レフティ"・ローゼンタール、ジョー・ペシが演じるマフィア構成員ニコラス・“ニッキー”・サントロはアンソニー・"トニー"・スピロトロ、シャロン・ストーンが演じるレフティの妻ジンジャー・マッケンナはジェリー・マクギーがモデル。
原作と脚本を担当したニコラス・ピレッジは、『ミーン・ストリート』(1973年)、『グッドフェローズ』(1990年)、『アイリッシュマン』(2019年)と合わせて緩やかなスコセッシ4部作をなすと考えている[1]。4作ともスコセッシとデニーロが組んだマフィア映画で、マフィアのアソシエイトを主人公にしている。『カジノ』と『グッドフェローズ』はどちらも「原作と脚本がニコラス・ピレッジ名義のギャング映画である」こと、「ロバート・デ・ニーロが狡猾な裏稼業の男を、ジョー・ペシが怒りを抑えることのできない暴力的なギャングを演じている」こと、「栄華を謳歌しているギャングの姿と、そこに乗り込むFBIとその後の波乱が描かれる」ことから[2]、『カジノ』は『グッドフェローズ』のリメイク、続編的な作品、二番煎じと言われることがある。また『カジノ』にカジノホテル「タンジール」(スターダストがモデル)への融資提供者として登場する全米トラック運転手組合(チームスターズ)は、『アイリッシュマン』でも大きく取り上げられている[3]。『カジノ』でアラン・キングが演じる全米トラック運転手組合年金局長アンディ・ストーンは、『アイリッシュマン』でジェイク・ホフマンが演じるアレン・ドーフマンがモデルである。
使用されている音楽は61曲[4]。オープニングのエースが乗ったキャデラックが爆破されるシーンで流れるバッハの「マタイ受難曲」、後半のギャングたちの末路が描かれるシーンで流れるアニマルズの「朝日のあたる家」が有名。
出典[編集]
- ↑ David Fear「史上最高のギャング映画になるか? スコセッシの新作『アイリッシュマン』に迫る」Rolling Stone Japan、2019年11月20日
- ↑ ANDY GREENE「マーティン・スコセッシ映画ベスト10」Rolling Stone Japan、2016年2月14日
- ↑ 塚田正晃「【IR映画ガイド】その危うさをきちんと理解しておくことが、健全なIR作りの土台となる「カジノ」 (2/2)」日本型IRビジネスレポート、2020年7月10日
- ↑ 中野充浩「カジノ〜絶対に損はしない“帝国のルール”を築き上げた男と女たちの運命」TAP the POP、2021年11月22日