Vivaldi

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
Vivaldi
開発者Vivaldi Technologies
種類Webブラウザ
初版2016年4月6日
プログラミング言語C++
使用エンジンHTMLレンダリング:Blink
JavaScript:V8
対応OSWindows, macOS, Linux, Android
ライセンスプロプライエタリ
公式サイトhttps://vivaldi.com/ja/

Vivaldiは、Vivaldi Technologies社によって開発されている、軽量設計のウェブブラウザである。Chromiumをベースとしており、Google Chromeの拡張機能や旧Operaのようなマウスジェスチャーに対応するなど、両者の特徴を併せ持っている。

概要[編集]

Vivaldi Technologiesは、オペラ・ソフトウェアの創設者の1人でありCEOであった、ヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナーによって設立された。 オペラ・ソフトウェアの元COO、冨田龍起も創業者として加わっている。

"A new browser for our friends"(私たちの友人のための新しいブラウザ)をスローガンとしており、技術者、インターネットのヘビーユーザー、OperaのレンダリングエンジンがPrestoからBlinkへと変更されたことに伴って多くの機能が削除されてしまったことに不満を抱くかつてのOperaユーザーを主な対象としている。 開発は主にノルウェー・オスロ、アイスランド・レイキャビーク、アメリカ・グロスターにて行われている。

レンダリングエンジンは、現行のOperaと同じくBlinkを使用している。 オペラ・ソフトウェアにPrestoの使用を交渉したが、許可を得られなかった為で、開発側はVivaldiが軌道に乗れば、自社で改めてレンダリングエンジンを開発する可能性も視野に入れたいとしている。

Vivaldiは自身のベースであるChromiumや、同じくChromiumをベースとするGoogle Chromeよりも軽量で高速に動作する。

植林検索エンジンEcosiaの他、ユーザーのプライバシーを重視し、同様の路線を歩む検索エンジンDuckDuckGo、Startpage.comやQwantがデフォルト検索エンジンに入っている。

名称は近世ヨーロッパの作曲家、アントニオ・ヴィヴァルディに由来する。 「覚えやすくて、世界中で知られていて、革新的な名前」であり、「ヴィヴァルディの音楽が当時とても革新的だとされていた」ことから、「革新的なブラウザを作っていきたいという思いを込めて」この名称が採用された。

Net Applicationsのデータによると、2019年の世界全体でのシェアは0.1%程度、2021年は0.01%程度とされる。 これは2019年12月のVivaldi 2.10以降、デフォルトのユーザーエージェントをGoogle Chromeと同一のものとしており、実際のシェアよりも小さく報告されている為である。

公式サイトの記載によると、Vivaldiのアクティブユーザーは増加を続けており、2021年2月時点でデスクトップ版・モバイル版を合わせて220万人以上となっている。 その為、実際のシェアも増加傾向にあると考えられる。

なお、Vivaldi利用者のうち15%は日本人であり、その占める割合は利用者の中で1番多い。

歴史[編集]

2013年4月にオペラ・ソフトウェアはブラウザのレンダリングエンジンを、従来開発していたPrestoからGoogle Chromeでも利用されているWebKitに切り替えると発表し、ChromeがレンダリングエンジンをBlinkに切り替えると、その後追いをした。

しかし、多くの機能が削除されてしまった新生Operaブラウザは、多くのユーザーに不満を抱かせる出来だった。 また、2014年3月には、オペラ・ソフトウェアは自社ウェブブラウザであるOperaのユーザー向けに提供していたソーシャル・ネットワーキング・サービス、My Operaを閉鎖した。

ヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナーはオペラ社を2010年に去っていた。

2014年3月に閉鎖されたMy Operaに代わるバーチャルコミュニティサイトとして、フォン・テッツナーはvivaldi.netを開設した。 彼は、My OperaのコミュニティこそがOperaのありようを決定する助けになると信じており、オペラ・ソフトウェアによるコミュニティ閉鎖の決定を快く思っていなかった。

フォン・テッツナーは、vivaldi.netが新しい会社を興す道に繋がるものでもあると発言し、2015年にVivaldi Technologiesを創設、2016年には新たなブラウザであるVivaldi 1.0を公開して、旧Operaの精神を復活させた。

2018年9月には同期機能を搭載したバージョン2が公開され、2020年4月にはトラッカー・広告ブロック機能を搭載したバージョン3が公開された。

2019年9月にAndroid版のベータ版が公開されており、2020年4月のバージョン3と合わせて正式リリースされている。

2021年6月にウェブページ翻訳機能やベータ版のメール、カレンダー、フィードリーダーを搭載したバージョン4が公開された。 同年12月には、ブラウザのテーマを共有する機能を新しく搭載したバージョン5が公開された。

2022年6月、Vivaldi メールが正式版の1.0になった。これはブラウザ内蔵のメールクライアント・カレンダー・フィードリーダーである。

2023年4月、ワークスペース機能を新しく搭載したバージョン6が公開された。 同年5月23日、iOS版Vivaldiのプレビュー版が公開された。なお、日本においては5月16日に先行で初公開されていた。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]