鉄腕アトム
鉄腕アトム(てつわんあとむ)とは、手塚治虫のマンガで、ロボットのアトムが主人公である。昭和26年(1951年)より光文社の『少年』誌上に連載が開始される。
概要[編集]
昭和38年(1963年)1月1日からフジテレビ系においてテレビアニメが放送開始。いわゆる30分で1話が完結する形のテレビアニメでは最初の作品である。当時はまだテレビアニメが無理だと考えられていたため、鉄腕アトムは視聴率が最高で40パーセントを超える人気番組となり、その後のテレビアニメの拡大と隆盛を決定づけることになった。テレビアニメは昭和41年(1966年)12月31日まで、4年間にわたり放送された。
その後、昭和55年(1980年)と平成15年(2003年)にそれぞれリメイク版が放送された。
作品の出来としては1980年版がもっとも良い。理由は白黒からカラー映像になり現代的(80年代的)に、原作者の手塚自ら脚本を担当しており、近年の作品よりも情緒的で重苦しくアトムらしい考えさせられる内容だからである。1980年版では迫る2030年の東京が舞台である[1]。白黒版は手塚が不満を持っていたという。このことから考えれば近年の作品は、重要部分が大幅にカットや改変された部分が多く原作者の意向に忠実ではないと言える。
キャラ設定[編集]
交通事故により亡くなった「トビオ」という少年に似せて作られたロボットという設定がある。なお、アトムは前と後ろの髪がピンと立った髪型をしているが、この髪型のモチーフは手塚の風呂上りの姿で、クセ毛で髪がはねた自分を見てアトムの髪型を思いついたという逸話がある。
トリビア[編集]
アニメが有名すぎるせいか、1959年に毎日放送製作・フジテレビネットで、実写ドラマが作られたことが霞みがちである。
アトムの最期[編集]
以下にはネタバレが含まれています。
1回目[編集]
(鉄腕アトムでは2017年とされる)
鉄腕アトムは、太陽の核融合を阻止するため、核融合阻止装置を乗せたロケットに乗り、装置(カプセル)を太陽に向け発射。しかし装置は隕石にぶつかり失敗したため、アトム自ら装置を操縦し太陽に突入したのである。
2回目[編集]
(鉄腕アトムでは1969年とされる)
太陽から抜けだし、無惨に溶けた状態で発見されたアトムは、イナゴの形をした宇宙人に拾われ、原形に留められたまま地球へと送り出された。しかしアトムへのエネルギー・チューブが作られていなかった20世紀の時代は、いつかはエネルギーが切れることを予言し、ベトナム戦争中のベトナムにあるメコン川にて沈められる。
3回目[編集]
(鉄腕アトムでは1993年とされる)
24年後にとある建設会社の社長の信吾によって復活させられたが、エネルギー・チューブを買うことが出来ずエネルギーが尽き、アトムの思い出の高原で朽ち果てていった。その10年後に、トビオが死に、天馬博士が初期のアトムを発明しようとする。もし動けばアトムが二人いるというタイムパラドックスが生じ、ストーリー上において問題が起こってしまうため、朽ち果てていた本体は爆破された設定になっている。ここで鉄腕アトムは最期を迎えた(ただしストーリー的にはどんどんループしていく)。