裁判員裁判
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裁判員裁判(さいばんいんさいばん)とは、平成21年(2009年)5月から開始された日本国民の直接的な司法参加による第一審裁判である。
概要[編集]
刑事裁判に市民感覚を反映させる、つまり近年は従来の裁判官が世間知らずで常識とかけ離れた判決が少なくなかったので、裁判員が裁判に参加する制度を導入した。この制度により市民から選ばれた裁判員6名が裁判官3名と共に有罪、無罪と量刑を判断する。対象は殺人事件、傷害致死事件などとなる。20歳以上の市民から無作為に選ばれた裁判員候補者の中から、地方裁判所での選任手続きを経て裁判員が決定される。欠員に備えて補充裁判員も選任される。判決内容を決める評議の具体的な中身については守秘義務が課されている。
裁判員裁判は地方裁判所本庁の他、10ヶ所の支部で行われ、その他の支部では実施されない。
平成31年(2019年)3月末までのデーターとして、裁判員に選ばれた人数は6万8165人、補充裁判員に選ばれた人数は2万3177人、辞退率は62.7パーセントである。判決を受けた被告は1万1845人に上り、その中で死刑判決は37名、初公判から判決までの期間は平均して8.1日である。
反面、裁判員裁判で出た判決が控訴審で覆される、すなわち破棄される割合は9.8パーセントにも上っており、裁判員裁判の意味があるのか疑問が持たれるところでもある。一方、裁判員制度そのものを廃止または縮小して、裁判のテレビ中継などによる別の方法で国民の司法参加を促すことを提言する人もいる[1]。
関連項目[編集]
- 裁判員
- 司法制度改革審議会
- 陪審制 - 米国や英国などで行われ、米国では民事裁判でも実施しているが、刑事事件では量刑の是非に関与しない。日本でも、1928年(昭和3年)から1943年(昭和18年)まで行われていた。
- 司法取引 - 米国で裁判のスピードを早めるために使われるが、同時に陪審裁判を受ける権利を放棄することになる。
- 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(通称:裁判員法)
- 被害者参加制度
- 人民裁判
- 参審制 - 独国、仏国などで実施。
- 国民参与制度 - 韓国で実施。
- 傍聴席
外部リンク[編集]
- 最高裁判所 - 裁判員制度
- 法務省 - よろしく裁判員
- 日本弁護士連合会 - 裁判員制度コーナー
- 主要な裁判員裁判対象事件一覧表
- 東京高等裁判所 - 裁判員制度用モデル法廷
- 司法制度改革審議会 - 司法制度改革推進本部
- 司法制度改革審議会意見書ー21世紀の日本を支える司法制度ー
- 裁判員裁判スタート(2009年) - NHKアーカイブス(日本放送協会)
- 裁判員制度はいらない!大運動