脊柱検査

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脊柱検査(せきちゅうけんさ)とは、乳幼児学校健康診断において、脊柱の疾病および異常の有無を検診し、疾患予防・早期発見に役立てるものである。各学校等によって検査名が多少異なる場合がある。

乳幼児に対しては、乳幼児健康診査母子保健法施行規則[1]により行うことが定められている項目のうち、

  • 第2条3及び同条2項3 脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無

学校では学校保健安全法児童福祉施設入所者も児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第12条[2]により学校保健安全法に準じて行われている)により、健康診断を学校保健安全法施行規則[3]により行うことが定められている項目のうち、

  • 第1節就学時の健康診断 第3条2 脊柱の疾病及び異常の有無は、形態等について検査し、側わん症等に注意する。
  • 第2節児童生徒等の健康診断 第6条3 脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無(第6条4項により大学は検査を省略することができる)

が該当する。小学校4年生から中学校3年生までの間が特に注意が必要とされ、撮影による検診(モアレ検査・モアレ撮影)と視診・触診による検診があり、健康診断では前者・後者の両方もしくはどちらか片方が行われている。

検診の方法[編集]

各学校では例として次のように行われる。男女別で行われる。より正確に測定するため、上半身裸になる必要がある。

撮影による検診(モアレ検査・モアレ撮影)の方法[編集]

モアレ式体型観察装置(モアレトポグラフィやモアレルックなど)を用いて撮影が行われる[4][5][6][7][8][9][10][11][12]

  1. 予め体育着に着替えておく。
  2. 裸足になり、学級ごとに検診場所に入る。上履き・靴下は廊下に置いておく。
  3. 順番まで待機する。順番になったら、衝立の中にはいり、上半身裸になり、トレーニングパンツを穿いている場合は脱いで、短パン姿になる。 短パンとパンツを下ろし、臀部を出す。脱いだ衣類はテーブルの上などに置いておく。
    • 男子は検診場所に入った段階で上半身裸・短パン姿になり、そのまま待機することも多い。かつては男子は教室に上半身の衣類などを置き、上半身裸で検診場所に行くこともあった。この場合は、テーブルなどに脱いだ衣類を置いておく。衝立に入ってから、臀部を出す。
  4. 撮影を受ける。終わったら、短パンとパンツを上げ、上半身の衣類などを着用し、衝立から出る。
    • 教室に入った段階で短パン姿になった場合は、衝立から出て、上半身の衣類などを着用する。
  5. 検診場所から出る。靴下や上履きを履く。


視診・触診による検診の方法[編集]

モアレ式体型観察装置を使用しない方法で、例として次の様に行われる。上の1. 2. 5.はほぼ同様。[13]

男子 右記以外の女子 ブラジャー(着用したまま検診が可能なブラジャーに限る)を着用している女子
検診時の姿 上半身裸(トップレス)。検診時の体勢上、ニプレスなどを着用している者を除いて乳房が完全に露になる。 上半身ブラジャー1枚のみ着衣の姿。
  • 脊柱検査時以外でも、学校で上半身が上記何れかの姿になる機会(心臓検診時・着替え時・集団入浴時など)を利用して先生などが観察(検査)を行い、家庭でも同様の姿(着替え時・親子入浴時など)になる機会を利用してが観察を行うことが理想的とされている。
検査内容 前屈検査 両方ののひらを合わせ、の力を抜いて、両を自然に前に垂らし、を伸ばしたまま、ゆっくりお辞儀をし、肩、背中、の順に左右の高さに差があるかないか視診・触診する。
  • 検者は椅子に腰をかけて、検者の正面あるいは背面に位置し、被検者の背面を見通すようにしながら検診する。
  • 左右の高低差が7-8mm以上または左右の背面傾斜角が5°以上だと側湾症の疑いが強くなる。
立体検査 後ろ向きに「気をつけ」の姿勢でまっすぐ立ち次の3項目を視診・触診する。
  • 左右の線部分の曲がり方(輪郭)に不均衡があるかないか。
  • 左右両肩の高さに差があるかないか。
  • 左右両肩甲骨の高さや突出の仕方に差があるかないか。

脚注[編集]

  1. 母子保健法施行規則
  2. 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準
  3. 学校保健安全法施行規則
  4. 千葉市立花園小学校保健室 (2012年5月2日). “ほけんだよりPDF”. 千葉市教育センター. 2017年7月23日確認。
  5. 真野小学校保健室. “保健だより : モアレ検査号 六年生のみなさんへPDF”. 大津市教育情報通信ネットワーク(OIE-NET). 2015年12月25日時点のオリジナル(リンク切れ)よりアーカイブ。
  6. 高鷲南中学校保健室. “ほけんだより : 1年生用PDF”. 羽曳野市. 2015年12月26日時点のオリジナル(リンク切れ)よりアーカイブ。
  7. 貝塚市立中央小学校保健室. “ほけんだより : 11月PDF”. 貝塚市教育委員会. 2017年7月23日確認。
  8. 公益財団法人愛媛県総合保健協会. “学校健診に関するお願い(平成26年度版)PDF”. 公益財団法人愛媛県総合保健協会. 2017年7月23日確認。
  9. よぼういがく協会. “脊柱側弯検診PDF”. 公益財団法人岩手県予防医学協会. p. 1. 2018年8月11日確認。
  10. 公益財団法人岩手県予防医学協会. “脊柱側弯検診の手引き : 脊柱側弯症を早期に発見するための検診ですPDF”. 公益財団法人岩手県予防医学協会. 2017年7月23日確認。
  11. 辰市小学校保健室 (2016年1月19日). “おひさま ほけんだより《臨時:5年生用》PDF”. 奈良市教育委員会. 2017年7月23日確認。
  12. 和泉市立和泉中学校保健室 (2015年9月30日). “保健だより : 健康診断号PDF”. 和泉市. 2017年7月23日確認。
  13. 日本側弯症学会編 『知っておきたい脊柱側弯症』(第1版)、東京都: インテルナ出版、2003年12月25日ISBN 978-4-900637-15-3