武田三代軍記
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武田三代軍記(たけださんだいぐんき)とは、戦国時代の史料である。
概要[編集]
著者・成立年代[編集]
著者は大野武範(片島武範(深淵))で、武田家旧臣の流れを汲む小幡景憲の高弟だった人物である。成立年代については江戸時代中期の正徳5年(1715年)、あるいは享保5年(1720年)とされている。武範の著書は享保年間に集中しているため、享保年間の可能性のほうが高い。
別称は『武田三代記』(たけださんだいき)、『甲源武田三代軍記』(こうげんたけださんだいぐんき)など。
内容[編集]
全22巻22冊。武田信虎・信玄・勝頼の戦国大名である甲斐国の武田氏の3代についての盛衰を記録している。
甲斐武田家の系譜やその一族についても記録しているほか、前述の武田家3代にわたる興亡をわかりやすく記している。ただ、江戸時代は信玄が神格化されていた時代で、そのため信玄に対するバイアスが半端なく高い。信虎の追放については「忠臣の諫死を聞かなかった父を信玄が遂に追放した」とあるし、信玄は「1代で120余りの合戦に武勲を立てた」とあるし、勝頼は「佞臣を頼り滅亡した」と評されている。
ただ、著者の武範がわかりやすくまとめていたことが多くの人に好印象を与えたようで、実際に『甲陽軍鑑』より平易で、一般には大いに好まれたという。