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橋梁工学

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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橋梁工学 (橋梁工学)とは、土木工学のうち、橋梁の設計、建設に関する工学である。

概要[編集]

構造力学材料力学のほか、地震の対策のための地球科学の素養が必要である。使用目的として鉄道橋道路橋のほか、水道橋、人道橋があるが後者2つは荷重が小さく、採用例も少ないので前者2つが重要視される。上部構造と下部構造とに分かれる。

橋梁の構成[編集]

橋梁の上部構造は、橋梁の主体となすもので、橋床、床組、主桁、主構などから成り立っている。下部構造は上部構造を支持し、上部構造からの荷重を地盤に伝える役目を持ち、橋台、橋脚、及びそれらの基礎から成り立っている。

材質による分類[編集]

かつては木材、その後は石や煉瓦が使われたが、19世紀からはコンクリートが用いられた。

構造による分類[編集]

桁橋[編集]

橋脚の上に部材を梁として使用したもので、部材の曲げ抵抗とせん断抵抗とを利用したものである。曲げやせん断に対して効率の良いI形断面の桁を利用する。長方形の桁が搭載された構造である。一般に桁橋では主桁を何本か並列させる。格子げた橋、合成げた橋、箱げた橋がある。

トラス橋[編集]

構造材を三角形に組んだトラスで橋桁を支える方式である。交通量の少ないものや水道橋には三弦トラスをもちいることがある。支点間を長く取れる長所がある。以下の形式がある。

詳細は「トラス橋」を参照

  • ワーレントラス
    • 二等辺三角形が横に連なったトラスである。位相が90度進んで重なったものがダブルワーレントラスである。
  • プラットトラス
    • 直角三角形で組まれ、斜材が内側に向いたトラスである。20世紀半ばまで鉄道橋に採用された。
  • ハウトラス
    • 直角三角形で組まれ、斜材が外側に向いたトラスである。小規模な木造に用いられる。
  • 分格間トラス
    • 特に大きなトラスで、トラスの強度を増すために部材で補強したものである。
  • ポニートラス
    • ポニー」とは、背の低いウマのことで、背の低いトラスである。

ラーメン橋[編集]

橋桁と橋脚が一体となった構造である。

斜張橋[編集]

主塔から橋桁をケーブルで斜めに引っ張る構造である。構造計算が複雑でなかなかできなかったが、コンピュータによる計算によって普及した。

吊り橋[編集]

2本の主塔から吊り下げられた主ケーブルより吊り下げられたケーブルによって橋桁を支持する形式である。主塔間をもっとも長く取れる長所があるが、によるたわみに弱い欠点がある。このため、橋桁にトラスを用いて風を通しやすくし、たわみに強くした。

アーチ橋[編集]

アーチ桁によって支持される方式である。かつては石やレンガで作られた。現在は鋼鉄や鉄筋コンクリートで作られる。支点が長く取れる長所がある。

支持方式[編集]

単純桁
二つの橋脚間で支持される方式である。一般的な方式である。
連続桁
複数の橋脚間で支持される方式である。
ゲルバー桁
片持ち梁の上に橋桁を載せた形式である。

通行方法[編集]

上路橋
橋脚を短くできる長所がある。深い谷底を渡るときに採用される。特別な事情がない限り橋梁は上路橋が望ましい。
中路橋
中途半端で採用例が少ない。
下路橋
下部に十分な余裕が欲しいときに採用される。圧迫感があるが、鉄道橋に採用例が多い。

荷重[編集]

風の影響
特にたわみやすい吊り橋が影響を受ける。1940年11月7日アメリカ合衆国ワシントン州オレゴン州を結ぶ当時世界第三位の長さを誇ったタコマ・ナローズ橋が落橋した映像が残っている。
地震
新潟地震の際、昭和大橋が落橋した。
老朽化
交通量が少ないため、予算が不足するために撤去されても掛け替えられないことがあり、問題となっている。

許容応力度[編集]

荷重の性質、材料の機械的性質、構造物の製作・架設における誤差、及び共用中の腐食などが考えられるので、材料の破壊強度に近い応力を許すことは危険である。このため、応力の値にある制限値を設け、これを超過しないよう設計する。この制限値を許容応力度という。材料の破壊強さ(鋼では降伏点)を安全率で割ったものを許容応力度としている。

問題例[編集]

(2) 長さl、曲げ剛性EIの桁橋(単純梁AB(Aは回転支点、Bは可動支点))について、等分布荷重ωのとき、たわみ角及びたわみを微分方程式を用いて求めよう。ただし、EIは一定とする。

関連項目[編集]

脚注[編集]


参考文献[編集]