橋本剛
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橋本 剛(はしもと つよし、1931年 - )は、哲学者。北海学園大学名誉教授[1]。
経歴[編集]
福島県生まれ。北海道大学予科を経て、1953年北海道大学文学部哲学科卒業[1][2]。北大文学部で史学科の中野徹三とともに自治会を作り、執行委員を務めた。卒業後は福島の高校の教師となり、この間に日本共産党に入党した。しばらくして退職し、北大大学院西洋哲学専攻に入学。札幌唯物論研究会(札幌唯研)の前身のヘーゲル会に参加し、のちに札幌唯研や日本唯物論研究会(日本唯研)の幹事を務めた[1]。
1964年北海学園大学教養部講師[3]、のち教授[4]。1977年12月に大月書店から刊行された『スターリン問題研究序説』(中野徹三、高岡健次郎、藤井一行編著)に村山紀昭との共著「哲学における「スターリン主義」批判」を執筆した。この時点で北海学園大学の教職員組合や生協の委員長、理事長なども兼任していた。1984年に中野徹三の除名を批判して共産党を除名された[1]。佐々木洋は「処分理由のひとつに、上級機関の同意なしに海外旅行をしたことが含まれていると聞いたことがあります」と述べている[5]。「ヘーゲルの研究者であるが、初期マルクスの疎外論や民主主義論を掘り下げて共産党の民主主義論や民主集中制論のもつ危険と問題性を批判する論稿を多く発表」しており、それらを著書『人間主義の擁護』(窓社、1998年)、『マルクスの人間主義』(窓社、2007年)にまとめている[1]。1998年北海学園大学退職[2]。
著書[編集]
単著[編集]
- 『人間主義の擁護――疎外論・官僚制論・組織論』(窓社、1998年)
- 『マルクスの人間主義――その根源性と普遍性』(窓社、2007年)
- 『思想としての弁証法――〈人間の自己疎外〉の謎を解く』(窓社、2013年)
共著[編集]
編著[編集]
- 『社会思想史――民主主義思想の形成と発展』(編著、青木書店[青木教養選書]、1981年)
訳書[編集]
- コンスタンチン・I・グリアン『ヘーゲルと危機の時代の哲学』(高田純共訳、御茶の水書房、1983年)
監修[編集]
- 李鋭著、山本雄子訳『毛沢東の功罪――毛沢東晩年の「左」の誤った思想に関する試論』(五月書房、2006年)
分担執筆[編集]
- 秋間実編『講座マルクス主義哲学 第4巻 現代の観念論哲学』(青木書店、1969年)
- 中野徹三、高岡健次郎、藤井一行編著『スターリン問題研究序説』(大月書店、1977年)
- 『季報・唯物論研究』編集部編『証言・唯物論研究会事件と天皇制』(新泉社、1989年)
出典[編集]
- ↑ a b c d e 中野徹三「『序説』刊行前後の執筆者グループの状況と経過、そして刊行後の反響について(PDF)」『アリーナ』第16号、2013年、98頁
- ↑ a b 思想としての弁証法―“人間の自己疎外”の謎を解く 紀伊國屋書店
- ↑ 北海学園創基百周年記念事業出版専門委員会、北海学園大学三十五年小史編集委員会編『北海学園大学三十五年小史』北海学園、1986年、42頁
- ↑ 日本学術振興会編『研究者・研究課題総覧 人文・社会科学編 1979年版 人文・社会科学編』日本学術振興会、1979年、39頁
- ↑ 佐々木洋「討論 『スターリン問題研究序説』をめぐる経緯(PDF)」『アリーナ』第16号、2013年、82頁