榊利夫
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榊 利夫(さかき としお、1929年2月11日 - 2003年8月19日)は、哲学者[1]、政治家。元衆議院議員。日本共産党名誉幹部会委員。
経歴[編集]
福岡県八女郡広川町生まれ[2]。海軍飛行予科練で敗戦を迎え、1947年日本共産党に入党[3]。早稲田大学文学部露文科卒業[2]、1955年同大学院文学研究科修士課程中退[3]。大学時代に同郷の五木寛之と知り合い、二十数年後の1977年に『文化評論』誌上で対談している[2]。大学卒業後、日ソ親善協会を経て、1958年『赤旗』編集局に入局、1964年のソ連派排除の際に活躍する。1970年7月の第11回党大会で準中央委員、書記局員、『前衛』編集長に就任。1973年11月の第12回党大会で幹部会委員、理論委員会責任者に就任[4]。1979年10月の第35回衆議院議員総選挙で東京2区から出馬し初当選。1980年6月の第36回衆議院議員総選挙で東京2区から出馬し連続当選。その後、『赤旗』編集局長、常任幹部会委員を務めた[4]。
党内では上田耕一郎、不破哲三と並ぶ理論家として知られた[3]。1977年9月に党員理論家の田口富久治が雑誌『現代と思想』29号に「先進国革命と前衛党組織論――『民主集中制』の組織原則を中心に」を発表し民主集中制を批判すると、党中央は関原利一郎(上田耕一郎、榊利夫ら4人の共同執筆)のペンネームで『赤旗 評論特集版』に「前衛党の組織原則の声明――田口富久治氏の『民主集中制論』の問題点」を発表して田口を批判した。その後、田口は不破哲三と『前衛』誌上で論争を展開した(田口・不破論争)[5]。
著書[編集]
単著[編集]
- 『帝国主義と独占資本のイデオロギー』(青木書店、1965年)
- 『現代修正主義とはなにか』(青木書店[青木新書]、1965年)
- 『マルクス主義と哲学論争』(青木書店、1966年)
- 『マルクス主義と実存主義』(青木書店、1966年)
- 『現代トロツキズム批判』(新日本出版社[新日本新書]、1968年)
- 『現代イデオロギー論(上・下)』(青木書店、1969年)
- 『国家と変革の思想』(大月書店、1971年)
- 『政治革新とイデオロギー』(青木書店、1972年)
- 『日本の変革と理論活動』(新日本出版社[新日本新書]、1973年)
- 『現代民主主義の理論――科学的社会主義と民主的課題』(新日本出版社、1975年)
- 『革新多数派への時代』(新日本出版社[新日本新書]、1976年)
- 『国民的融合論の展開――部落問題と同和行政』(大月書店、1976年)
- 『現代社会主義入門』(新日本出版社、1978年)
- 『民主集中制論』(新日本出版社、1980年)
- 『天皇制と新「超国家主義」』(大月書店、1988年)
- 『宗教と歴史の進歩』(新日本出版社、1990年)
- 『文鮮明主義の批判――統一協会の過去・現在・矛盾』(白石書店、1993年)
- 『統一協会はどうなるか!――謀略的・反社会的な反共組織のゆくえ』(新日本出版社、1994年)
共著[編集]
- 『部落解放への道――国民的融合の理論』(北原泰作共著、新日本出版社、1975年)
- 『自由の理論と科学的社会主義』(飯塚繁太郎共著、現代史出版会[現代史ブックス]、1976年)
編書[編集]
- 『矛盾――論争と問題点』(合同出版、1959年、改装版1977年)
- 『公明党・創価学会批判』(中川一共編、新日本出版社、1970年)
- 『土台・上部構造論』(小郷三郎共編、合同出版、1958年)
- 『土台・上部構造論』(合同出版、1977年)
訳書[編集]
- A.ネクラーソフ作『ほらふき船長航海記』(理論社[Junior Library]、1959年)
- A.ネクラーソフ作、ロシチョーバ絵『ほらふき船長航海記』(理論社[Junior Library]、1971年)
- A.ネクラーソフ作、K・ラショーワ画『ほらふき船長航海記(上・下)』(理論社[フォア文庫]、1980年)
- チェンドリャコフ著『サーシャの門出』(新読書社、1960年)
- V.チェンドリャコフ著『難関』(新読書社、1961年)
- パトリス・ルムンバ著『息子よ未来は美しい』(訳編、理論社[新しい人間双書]、1961年)
- R.グロップ著『哲学入門教科書』(青木書店[青木新書]、1961年)
- クルプスカヤ著『家庭教育論』(榊公子共訳編、青木書店[青木文庫]、1964年)
- クルプスカヤ著『児童教育論』(訳編、青木書店[青木文庫]、1978年)
出典[編集]
- ↑ 芝田進午編著『現代日本のラディカリズム――小ブルジョア急進主義批判』青木書店、1970年
- ↑ a b c 諏訪兼位、田口富久治、岩間優希、影浦順子、竹川慎吾、小島亮『伽藍が赤かったとき――1970年代を考える』中部大学(中部大学ブックシリーズ Acta)、発売:風媒社、2012年、73頁
- ↑ a b c 榊 利夫(サカキ トシオ)とは - コトバンク
- ↑ a b 鈴木正節「榊俊夫」、現代革命運動事典編集委員会編『現代革命運動事典』流動出版、1981年、104頁
- ↑ 『伽藍が赤かったとき――1970年代を考える』中部大学(中部大学ブックシリーズ Acta)、発売:風媒社、2012年、53-54頁