核兵器禁止条約
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核兵器禁止条約(かくへいききんしじょうやく)とは、2017年7月7日にアメリカのニューヨークの国連本部で採択された核兵器の開発・保有・使用・威嚇などを全面的に禁止する条約のことである。全面的に核禁止は史上初めてである。採択は国連で122カ国、地域の賛成により行なわれた。採択の原動力となった非政府組織(NGO)の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)はノーベル平和賞を受賞している。
核兵器使用は国際人道法に「一般的に反する」とした1996年の国際司法裁判所の勧告的意見を踏まえ、前文に「ヒバクシャの受け入れ難い苦しみに留意する」と明記した。アメリカやロシアなどの核保有国のほか、アメリカの「核の傘」に頼る日本も不参加で、実効性には課題も残されている。なお、条約採択直後、アメリカ・イギリス。フランスは条約を非難する声明を連名で発表し、「安全保障をめぐる国際情勢を無視している」と断じている。
なお、この条約はあくまで50カ国、地域が批准手続きを終えてから90日後に発効するものであり、2020年現在でもまだ発効はされていなかったが、同年10月24日に発効に必要な50か国、地域に達したことを国連が明らかにして、90日後の2021年1月22日に発効することが決定した。
この条約の締約国は、核兵器の被害者への医療支援や環境汚染の修復を義務としている。また、欧米や中露などが核兵器を保持しているため、非核保有国のオーストリアなどが条約制定に主導的な役割を果たしている。
2017年現在、世界の核弾頭およそ1万5000発の内、9割はアメリカとロシアが保有している。