未舗装路

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未舗装路(みほそうろ)とは、舗装されていない道路のこと。

概要[編集]

舗装された道路である舗装路に対する対義語であり、一切の舗装をされていない道である。砂利道を含めることが多いが、砂利舗装というように舗装材として砂利を使っている道路もあり、アスファルトコンクリート石畳などを除く道路全般を指すことが多い。 似たような概念として、ラリーにおけるグラベルターマックがある。 また、登山道や獣道を指して未舗装路ということは少ない。

道路として[編集]

砂利道や砕石舗装の場合、舗装面が走行で劣化しやすいだけでなく、大雨などによる洗堀によりガレ場と化すなど、道路として使用する場合は細かなメンテナンスが必要となる。実際は費用対効果の関係上、通行量の少ない場所がこのような砂利道となるとため補修が後回しになることも多く、乗用車で通行することが危険な状態になっていることも珍しくない。

歴史[編集]

日本では高度経済成長に至るまでは一般国道を含めてほとんどが未舗装道路であった。舗装されていたのは大都市中心部やトンネル内だけであり、路面電車が運行される区間や駅前が中心であった。アスファルトは高価な輸入品であって施工は少なく、コンクリート施工が中心であった。1960年代からのモータリゼーションによって漸く国道を中心にアスファルト舗装が始まり急激に舗装率が高まった。

未舗装路におけるモータースポーツ[編集]

未舗装路を舞台にしたモータースポーツは複数あり、クローズドな環境で行われるラリークロスダートトライアルが、公道でターマックと併せて行われるスペシャルステージラリーなどが有名。スペシャルステージラリーの最高峰とも呼べる世界ラリー選手権においてはトヨタ・セリカスバル・インプレッサ三菱・ランサーエボリューションが参戦していたことで有名。

オフロード[編集]

未舗装路があくまで道路であるのに対し、オフロードは道路外の草地や砂地、岩場や川などの車が進入できる地形を指す言葉である。不整地、ラフロードとも言い、舗装されたオンロードと対を成す。 本格的なクロスカントリー車はこのようなオフロードにも対応しており、以下の要素により走破性能を高めている。

ラダーフレームの採用
丈夫で耐久性のあるラダーフレームを採用する。ボディとフレームが分かれているためボディにダメージを受けても走行性能に問題は無く(乗用車で主流のモノコックボディの場合、ボディにより剛性を確保するため、ボディに致命的なダメージを受けると走行不能になる場合が多い)、丈夫で重いフレームは泥濘地でのトラクションや渡河の際に水流に耐える効果もある。
アプローチ・アングルの確保
登り坂や障害物に近づいて進行する場合、フロントバンパーの下端に接触しない最大の角度を通常の乗用車よりも多く確保している。このため障害物を乗り越えやすい。このほかアプローチアングルのリア版ともいえるデパーチャー・アングル、車体の底と障害物の干渉具合を判断できるランプ・ブレークオーバー・アングルと合わせ、クロスカントリー車の走破性能を表す三要素を構成する。より車高が高く、ホイールベースの短い車ほど角度が大きくとれるため、より走破性が高いともいわれる(重心の高さからなる不安定さを除く)。
駆動方式
一般的にはパートタイム式の四輪駆動であることが多く、スタック時などに前後輪を直結させることで脱出性や悪路走破性を高めている。フルタイムAWDの場合はデフロック機能を有することが多い。
マッドテレーンタイヤ
不整地や泥濘地においてもタイヤが食いつくように深く広い溝のパターンとなっており、泥を掻き出すことで強いトラクションをかける。泥濘地などスタックしやすい場所には威力を発揮するものの、サイドウォールなどは通常のタイヤ同様の構造のため破損しやすく、過信は禁物である(サイドウォールの破損は修理できないため)。

クロスオーバーSUVにおいてはこのような扱いは想定されておらず、あくまでオンロードに特化したものである場合が多い。その中でも悪路走破性の高いモデルが存在するものの、車体の損傷による悪影響がクロスカントリー車以上に大きくなるため推奨されない(メーカーの説明書等に注意書きがある場合もある)。

このようなクロスカントリー車をベースにチューニングした車を用い、10000kmを1か月近くかけて走破するラリーレイド競技も行われている。ラリーレイドとしてはパリ・ダカール・ラリー(現:ダカール・ラリー)と参戦し優勝していた三菱・パジェロが有名。

関連項目[編集]

参考文献[編集]