朝鮮民主主義人民共和国労働省

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労働省(ろうどうしょう、朝鮮語:로동성)は、朝鮮民主主義人民共和国の中央行政機関のひとつ。同国における労働に関する諸問題を担当する。

朝鮮民主主義人民共和国
労働省
朝鮮民主主義人民共和国の国章(2代目).png
各種表記
ハングル로동성
漢字勞働省
発音ロドン-ソン
日本語読み:ろうどうしょう
英語Rodong-Sung
Ministry of Works

概要[編集]

労働省は1948年の建国当初から置かれている省庁で、政務院傘下の労働行政部が改組・改称されて設置された。労働力の把握・補充・配置・任金・労働時間をはじめとした労働条件の向上と改善、環境指導監督、労働者の人権厚生・職業安定と失業対策・職業訓練・労働組合指導管理などにくわえ労働法令に関係する業務までも幅広く管轄している。朝鮮は社会主義体制をとっているため、労働省は市、郡、区の人民委員会の労働行政部門を通じて労働政策や行政に携わり、労働力需給の賃金など労働関連の計画を総合して国家計画委員会財政省などと共に各部門の労働力を確定させ、市、郡、区の人民委員会の労働行政部門に示達している。

組織としては労働相の下に二人の副相がおり、その下に事務局が置かれている。事務局では朝鮮の労働に関する総合統計を制作し報告している。事務局の下には労働に関する行政業務を担当する労働行政局がある。ここは労働時間を遵守しているか監視し、労働行政指導をしている。労働検閲局は道・市・郡・地区・区・区域の各人民委員会を検閲し、人民経済動員を管理している。労働大閲局は道・市・郡・地区・区・区域の各人民委員会の労働大閲部を管理している。主に労働者たちを派遣するとき、派遣場及び定量裁定書を作成する。休養管理局は労働者・農民たちが利用する全国21ヵ所の休養所の管理をしている。労働省の基本的機能は、幹部を除いた全国の労働者・農民・事務員・勤労者たちの労働力を均等に配置し、労働定量を制定すること。また、労働法規定に定められた労働時間を遵守させ、労働者たちの生産の質と量を保障する役割がある。国家計画委員会が指標別計画を立て、労働省は労働力と関連する全ての計画を作成する。工場と企業所の労働力配置、人民経済動員のための労働力動員に対する計画も行う。

教育委員会から毎年末に提出する次年度高級中学校卒業予定者のうち、大学未進学者を労働力源として供給することができる数を推定し、保健省の総合身体検査の後、各部門の労働力需要に応じた人材配置計画と技術、技能工の需要量を画定する。内閣副署の専門技術技能人力の要求に即し、技術技能訓練所職員配置と教育訓練支援業務も行う。党の決定や指示、内閣の重点事業が発足した場合には当該事業への労働者の斡旋を行うこともする。

労働力配置順序としては国家計画委員会で各部門別計画を立てた後労働相は労働計画を立てる。そしてその計画に則り、労働者を配置する。労働相は職種別に、また生産能力に応じて別途労働定量証明書を発行する。全体の労働生産力を把握し管理する。個別労働者たちは自分の生産能力を検証してもらうための試験を受け、その結果によって各職種別に1〜8級の級数に分けられる.級数を高めるためには再度試験を受ける。

労働者を配置する時、労働省は「労力調整依頼書」を作成する。これを機関に送付すると、個別労働者は「労力派遣状」を機関から受け取り、移動することになる工場と企業所に派遣状を提出する。そして個別労働者配置がなされるときは、労力派遣状・食糧停止証明書[1]、軍事移動証、組織別移動証、労働手帳[2]を個別に企業所や工場の労働課に提出する。

労働省の財政は財政局が担当している。国家計画委員会が予算案の作成・報告命令を出し省財政局へと伝達した後、次年度予算を計画する。その後、財政省に報告し、財政省は再び国家計画委員会に全体予算案を作成して提出。そうしてやっと労働省に必要な予算が無現金行票と言う形態で労働省財政局へ下達される。無現金行票は文字通り現金ではなく、小切手のような形態のものである。

傘下組織[編集]

  • 事務局
    • 労働行政局
    • 労働検閲局
    • 労働保護局
      • 争議調停審判委員会
    • 労働大閲局
    • 休養管理局
    • 資材課
    • 運輸課
    • 財政局
    • 監査官
    • 審議会
    • 中央労働委員会
      • 各道・市人民委員会労働行政部
    • 地方労働委員会
    • 労働行政検閲室
    • 戦略労働室
    • 行政組織局
    • 1局
      • 総務課
    • 労働組織宣伝局
    • 技術技能向上指導局
    • 労働定量局
    • 定員局
    • 農業・労力動員局
    • 社会保険局
    • 人力養成所
  • 労働定量制定処
  • 全朝鮮民主労働組合
  • 朝鮮職業総同盟

歴代相・副相[編集]

歴代労働相[編集]

歴代労働副相[編集]

脚注[編集]

  1. 旧居住区から新居住区へ、あるいは旧企業所から新企業所へ移動すると、食糧配給の受け取り先が異なるため
  2. 休暇取得歴や勲章の叙勲歴などが書かれている

関連項目[編集]