文中 (日本)

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文中(ぶんちゅう)は、日本南北朝時代元号の一つ。南朝方にて使用された。建徳の後、天授の前。1372年から1375年までの期間を指す。この時代の天皇は南朝方が第98代天皇(南朝第3代)の長慶天皇北朝方が北朝第5代天皇の後円融天皇室町幕府将軍は第3代将軍の足利義満である。

概要[編集]

建徳3年が文中元年に改元されたのであるが、その日時などは明確ではない。これは南朝の史料が欠けるためであり、文中の元号が最も早く確実に用いられていたことを示す史料としては河内の『金剛寺文書』文中元年4月28日における長慶天皇の綸旨である。『続史愚抄』後円融院応安5年10月4日条に「南方改建徳三年、為文中元年云、未詳」とあるがこれは誤りとされ、これに基づく『読史備要』や八代国治の『国史年表』、黒板勝美の『国史研究年表』なども誤りとされる。

古和文書』建徳3年4月5日北畠顕能御教書と『金剛寺文書』文中元年4月28日の長慶天皇の綸旨から、この2つの文書の示す期日の間に改元されたというのが一般的とされている。

文中4年5月27日(ユリウス暦1375年6月26日)に天授元年と改元された。