小型自動車

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小型自動車(こがたじどうしゃ)とは、日本における自動車区分の一つであり、道路運送車両法に基づく区分である。小型と名前が付くが、必ずしもコンパクトカーとは限らない。

概要[編集]

小型自動車は長さが4.7m、全幅が1.7m、全高が2.0mという基準をすべて下回っている大きさでエンジンの総排気量が660ccを超え2000cc以下の4輪以上の自動車か、排気量660ccを超える3輪トラック、もしくは排気量250ccを超えるオートバイ(特定二輪を含む)が該当する。要件のいずれかが該当しない場合は普通自動車(貨物車)として扱われる。なお、ナンバープレートの分類番号は5/7(乗用)もしくは4/6(貨物)となる。

かつては普通自動車と小型自動車で自動車税額が異なっていたものの、外圧により1989年から排気量によって税額が決定されるように変更された。そのため高級車をはじめとして多くの自動車が大型化することになり、大柄なボディに非力な1.5Lエンジンを搭載するなど運動性能がお世辞にも良いとは言えない自動車が大量生産されることとなった。なお、自動車重量税は車格に関係なく車両の重量で決定される。

小型自動車の全盛期であった1990年代までは交通インフラが急速に整備されていった時期でもあり、造成された住宅街の街路や住宅の駐車スペース、商業施設や機械式立体駐車場などは小型自動車を基準に整備されていたこともあり、現代の普通自動車では窮屈に感じることも多い。なお、1980年代に販売されていた7代目クラウンのボディサイズ(5ナンバーサイズのもの)は4.690m×1.690m×1.435mと全長・全幅が規格上限に近いサイズであったものの、2024年の現行モデルである5.030m×1.890m×1.475mと全長で34cm、全幅で20cmも大きくなっている。標準的なタイヤ(195/65R15など)1本分も張り出してきていると考えるとなかなかの拡大具合である。

全長・全幅・全高・排気量のいずれかが上限を超えると普通自動車扱いとなるため、同一車種でもグレード構成によって小型自動車と普通自動車の両方を備えている車も多い。

税制上の優遇措置が無くなった後、各メーカーは車両の大型化に大きく舵を振ったものの、貨物車においては維持費の関係から小型自動車のほうが都合の良いことも多く、いまだ多くの需要が残っている。特にプロボックスハイエースなどのライトバンは未だに企業を中心として高い需要があり、ハイエースも1ナンバーと4ナンバーにそれぞれ対応したグレード展開をしている。

なお、ディーゼルエンジンは排気量上限の適用はない。

関連項目[編集]