トヨタ・プロボックス

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プロボックス(PROBOX)とは、トヨタ自動車が販売するライトバンである。同社が販売していたトヨタ・サクシードとは基本設計を同一とする姉妹車の関係であった。

概要[編集]

プロボックス登場以前のトヨタの商用車需要はカローラバンやその姉妹車であるスプリンターバンと若干大きいカルディナバンが担っていたが、それらは1991年の登場であり陳腐化していたことや対抗馬である日産・ADが1999年のモデルチェンジによりシェアを拡大していたこともあり、使い勝手が良くコストパフォーマンスに優れる商用車が求められていた。このような背景から初代ヴィッツのプラットフォームを流用し、コストを抑えつつ商用車としての使い勝手の良いボディスタイルと車内装備を備え、乗用車からの派生モデルではなく純然たる商用ライトバンとして設計されたのが初代プロボックスとサクシードである。

設計はトヨタ自動車とダイハツ工業で行われ、製造はダイハツ工業が担当している。また、2018年からはマツダに対してOEM供給がされている(マツダ・ファミリアバン)。2024年現在、日本メーカーが生産する2ボックスタイプのライトバンは日産のADと本車のみである。

車名の由来はプロフェッショナルのプロと箱(ボックス)を合わせた造語である。

初代(50系)[編集]

2002年7月に発売され、商用モデルのバンと乗用モデルのワゴンが設定されていた。そのため、バンとワゴンのグレード体系はトヨタ自動車における商用車と乗用車のグレード体系にそれぞれ分かれている。また、バンは1.3Lの2NZ-FEエンジンやディーゼルの1ND-TVエンジンの設定もあったが、ワゴンは1.5Lの1NZ-FEのみとなるほか、ワゴンには全席ヘッドレスト装備、バンより柔らかいリアのコイルスプリングなど乗用用途を想定したモデルとなっていた。

ヴィッツ同様のNBCプラットフォームを採用しているものの、重量物の積載に対応するためサスペンションも見直され、同様のプラットフォームの中では最も硬い足回りにセッティングされている。内装に関してもダッシュボード上のスピーカー配置などにヴィッツとの共通点はあるものの、センターメーターではなくハンドルの先にメーターが配置されるなど大きく異なる仕様になっている。なお、メーターの位置を移動したことで空いたスペースは2DINサイズのスペースが確保されており、カーナビゲーションの設置や収納に適したものとなっている。また、当初より業務用途を想定していたためかメーターコンソール右側にペンホルダーやカードホルダーなどの小物収納スペースを確保しているほか、センターコンソールには引き出し式のミニテーブルが用意されているのも大きな特徴である。また、通常はグローブボックスのような助手席側にしかない収納もハンドル下に用意されており、運転席側・助手席側ともにワイドフリーラックとして収納スペースを確保している。ドアに付属しているサイドポケットも通常の車に比べて広いのも特徴である。

なお、サクシードとの相違点について、フロントグリルなどの形状が若干異なるほか、テールゲートの形状が異なるためサクシードの全長が105mm長くなっている。また、積載量もサクシードが450kgであるのに対し、プロボックスは400kgである。

2代目(160系)[編集]

2014年8月に発表され、9月より販売が開始された。外観上はフロントマスクの形状が大きく変わった程度であり、大きな変化は見られない一方でプラットフォームがBプラットフォームに刷新されており、フロントのブレーキディスクの大径化や歩行者障害軽減ボディの採用、2016年のモデルからToyota Safety Senseの標準搭載など、ハード面とソフト面の両方で安全性を高めている。変更や先代に設定されてた乗用タイプのワゴンは廃止されたものの、Fグレードが先代のワゴンに相当する装備を備えている。先代のようなサクシードとプロボックスの相違点はなく、基本的に同一の車となっている(しいて言えば車名ステッカーの違い程度)。

1.3Lのエンジンが2NZ-FEから1NR-FEに刷新されたほか、全モデルCVTとなった。また、新たにハイブリッドモデルも設定されており、ガソリン車とはメーターの意匠が異なる。パワーステアリングも車速感応式電動パワーステアリングとなり、切返しなどの際のフィーリングが軽くなっている。

内装は一新されており、同プラットフォームを使用するほかのトヨタ車とは異なったデザインとなっている。先代同様の収納の豊富さや引き出し式テーブルはそのままに、スマートフォンホルダーが標準装備されたり、足踏み式パーキングブレーキになったことでセンターコンソールがスッキリしている。

2020年にはトヨタの自動車における全車種併売の動きもあり、すべての店舗でプロボックスとサクシードが購入できるようになった。なお、その発表の5日後である同年5月6日にサクシードの生産は終了され、現在はプロボックスに一本化されている。

関連項目[編集]