富麓記
ナビゲーションに移動
検索に移動
概要[編集]
著者・成立年代[編集]
著者は4巻の末尾にある奥書から、「右四巻を前代之聞記と云是は駿州蒲原住人斎藤道斎七十余歳時記之者也」とあるため、本来はこの著書が全4巻の作品であり、原題は『前代之聞記』(ぜんだいのもんき)であり、著者は今川氏の家臣だった斎藤道斎が70歳余りの時に書いたものというわけである。
別称は『五巻本今川記』(ごかんぼんいまがわき)。
内容[編集]
今川家の年代的な軍記である。前述しているが、元は4巻だったが、現在では全5巻が伝わっている。5巻は今川氏親が制定した『今川仮名目録』について、今川義元が定めた『仮名目録追加』に今川家の系図である『今川家譜』を付加したものである。恐らく、これは後代の誰かが増補して追加したものだと思われる。
元々あった4巻については、今川氏親の時代の事績までは詳しく書かれているのに、その子である今川氏輝、今川義元の時代の事績は全く触れられていないことから、恐らく著者は氏親時代までの家臣だった可能性がある。
- 1巻 - 今川範国、今川了俊の活躍と事績について。
- 2巻 - 上杉禅秀の乱とそれに関する今川範政の活躍、事績について。
- 3巻 - 了俊が弟・仲秋を訓戒した『今川状』に、足利義教の富士山見物の記録である『富士御覧日記』を加えたもの。
- 4巻 - 永享の乱、結城合戦における今川軍の活躍、応仁の乱における今川義忠の事績、今川氏親とその下で活躍した北条早雲の事績について。