地鳴り

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地鳴り(じなり、英語: subterranean rumbling、earthquake sound)とは、地震や火山活動(噴火)などにより発生する大地(地盤)の振動が、音響として空気中を伝わる現象のことである。地響き(じひびき)あるいは鳴動(めいどう)などとも呼ばれる[1]。いわゆる宏観異常現象の一種とされる。

概要[編集]

1944年に発生した東南海地震では、静岡県三重県などで地鳴りが記録されたという[2]。また、1965年から発生した松代群発地震[3]でも地鳴りが観測されている[4]

地震の地鳴りのメカニズムとしては、地震で発生した振動(波動)のうちの一部が、空中音波となって放出されるために音が聞こえる、というものである。地震動の振幅と地鳴りの大きさは比例する。地鳴りが聞こえる地震は基本的に、震源の浅い浅発地震である。ただし、その地面の地下構造や地形、地盤などによっても、地鳴りが聞こえるか(聞こえやすいか)は変わってくる。堅固な地盤の場合、特に地鳴りが聞こえやすい傾向がある[5]。例えば、茨城県筑波山などでは、基盤岩の影響で地鳴りがよく聞こえるという。

地鳴りは、地震計により揺れが記録されたり、人が揺れを感じたりすることがないような小さな地震においても、人の耳には聞こえることがある。このような地鳴りは、地震の波動のうち、周波数が概ね数十ヘルツ以上のものが空中音波となる際に発生するものにおいて聞こえることが多いという。高周波地震動の観測により、通常の地震計では観測できないが人の耳には伝わる高周波の地震動を観測することに繋がる[5]。周囲に構造物等がない場所では、地鳴りの周波数は地震波の周波数と変わらない。また、地質や地形的な影響などによっても、地鳴りの周波数や強さは変化する[6]

脚注[編集]

  1. デジタル大辞泉. “地響きとは” (日本語). コトバンク. 2021年4月9日確認。
  2. 1944年東南海地震により発生し静岡県西部地方と三重県南部地方で記録された地鳴りの方向性”. 青島晃、土屋光永、中野幸子 [他]. 2021年4月19日確認。
  3. 国立天文台理科年表」2021年 801ページ
  4. 日本国語大辞典,世界大百科事典内言及, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,精選版. “鳴動とは” (日本語). コトバンク. 2021年4月9日確認。
  5. a b 第2版,日本大百科全書(ニッポニカ), デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,世界大百科事典. “地鳴りとは” (日本語). コトバンク. 2021年4月9日確認。
  6. 地震と地鳴りの解析(日本火山学会 1967 年度春季大会講演要旨)”. 関谷 慱. 2021年4月19日確認。

外部リンク[編集]