品詞

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品詞とは、いわゆる「語」を多面的に解釈し分類した「語のグループ弁別」における各カテゴリーに国文法学者が与えた名称のことをいう。品詞分類に関わるが、日本語処理に関わるエンジニアと、教育現場に立つ教諭との間には齟齬があるため、「品詞」の分別は確定していない。

概要[編集]

単語を、文法上の機能によって分類したもの。

日本のいわゆる学校文法で教えられている品詞分類は、

  • 「自立できる語(自立語)」と「自立できない語(附属語)」
  • 「活用する語(用言)」と「活用しない語(体言)」

という二つのテーゼを根本とする品詞分類であった。
ところが、近年の言語学の進展(主に構文解析によって齎された知見)によって、

  • 「述語になる」と「述語とはならない」

といった第三の軸が生まれたため、木構造による説明に綻びが起きたため、教育的な立場から「品詞分類は、(平面的に表現できる)二次元構造ではなく立体的なモデルをシェーマとしたほうがいいのではないか?」という批判もある。
別側面としては、ネットワーク環境の充実によって、漢字かな交じりのテキストのテキストデータが広く流通するようになり、その解析において「この語は、どのような品詞として品詞分類を立てたらよいか?」ということが日本語処理研究者のみならず一般のオフィスワーカーにとっても「これは何という品詞として辞書登録すればいいの?」という問題として浮かびあがってきた。

具体例[編集]

たとえば「愛す」「徹す」「発す」が正形だが、「愛する」「徹する」「発する」が変換候補に出てこないとうまくないので、「る」を体言として辞書に登録するという便法がうまれたりした。これを「する動詞」とすると「愛しない」「徹しない」「発しない」が出てきてしまうからである。
それを「漢字一字の動詞」として別扱いしよう、というのは品詞分類における課題である。

具体的な品詞の種類[編集]

とりあえず語彙数の多いものから列挙する。

自立語に分類されているもの[編集]

述語[編集]

  • 動詞 - 用言、述語。物の動作を記述する。
  • 形容詞 - 用言、述語。物の状態を記述する。

述語ではないもの[編集]

  • 名詞 - 体言、述語から一意に文法格を要求される。
  • 形容動詞 - 用言、助動詞「だ」「です」「である」に接続しなければ述語とはならない。
  • 副詞 - 動詞、形容詞を修飾する。
  • 連体詞 - 名詞を修飾する。
  • 接続詞 - 文の最初に用いられることが多い。
  • 感嘆詞 - 単独で、主語・述語の無い文のように使われる。

附属語に分類されているもの[編集]

述語[編集]

  • 助動詞 - 付属語、用言。「だ」「です」「である」は述語。ただし、「ます」は述語をなさない。

述語ではないもの[編集]

などがある。

脚注[編集]