品詞分類

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品詞分類には、

  • 教養的な分類
  • 実務的な分類

の二つがあり、いわゆる学校文法は前者であり、日本語処理分野は後者の代表である。

概要[編集]

一般的には、

  • 名詞
  • 動詞
  • 形容詞
  • 助詞

などの[品詞]が立てられているが、これらは「いわゆる学校文法」における区分であり、「教養的な分類」に属す。
これとは別に、実務的な分類がある。とくに日本語処理においては重要である。

日本語処理における実務的な分類としては各種あるが、いまのところ教養的な分類の影響を受けているため、

  • 名詞 - 自立語、体言、述語から一意に文法格を要求される。
  • 動詞 - 自立語、用言、述語
  • 形容詞 - 自立語、用言、述語
  • 形容動詞 - 自立語、用言、助動詞「だ」「です」「である」に接続して述語となる。
  • 助動詞 - 付属語、用言。「だ」「です」「である」は述語。「ます」は述語をなさない。
  • 助詞
  • 接続詞 - 自立語、述語不可
  • 感嘆詞 - 自立語、述語不可

あたりが主流である。その他、形態素などもあるが、品詞分類のどのカテゴリーに入れるかについては。まだ意見が一致していない。

外国語では、これら以外の品詞もある。例えば名詞の性(男性名詞・女性名詞・中性名詞で冠詞が使い分けられる)は西ヨーロッパの多くの言語に存在するが、日本語ではほとんど意識されていない。冠詞は「漢語は『ご』、和語は『を』」という原則はあるものの、「お賽銭」「お説教」「お線香」「お佛壇」「お勉強」などの「漢語なのに『お』がつく」例も少なからずある(逆に、和語に「ご」がつく例は未見である)ため、分類と整理が求められる。
また、欧米語(印欧語)には前置詞後置詞もよく見られ、これらは日本語の助詞に概ね相当する。

詳細[編集]

以下に述べるが、「用言⇔体言」「自立語⇔附属語」「述語になる⇔述語にならない」といった区分があるため説明がくだくだしくなることをお許し願いたい。

名詞[編集]

自立語であるが、助詞「と」「も」などによって「名詞節」をなし、述語から文法格を一意に要求される。
「餃子とラーメンを食べる」は正であるが、「餃子をラーメンを食べる」は誤であるとされる。それゆえ「名詞節」の部品とされる。
活用はしないが、音韻変化はある。「あめ(雨)」「かね(金)」「さけ(酒)」「ふね(舟/船)」などがその例である。
「あまがさ(雨傘)」「かなもの(金物)」「さかだる(酒樽)」「ふなばた(船端)」などがある。
とはいえ体言であり、用言とはされない。
「単名称」とも呼ばれる。
いわゆる「こそあど」と呼ばれる「これ」「それ」「あれ」「どれ」など(「かれ」も含む)といった代名詞を、別の品詞として分類する場合もある。

動詞[編集]

活用し、自立語であり、述語である。
「主要三格」と呼ばれる主格・対格・与格を要求するが、主格は必須であるが対格と与格は必須ではない。ルネ・トムによれば18種に分類されるというが、「自殺の形態」が見当たらないので17種であろうと思われる。

形容詞[編集]

活用し、自立語であり、述語である。
ただし、動作主体という意味での「暗黙の主語」として話者を想定している。「あいつは恥ずかしい奴だ」は「あいつは私をして『恥ずかしい』と思わしめる奴だ」を意味しており、当人は「恥ずかしい」とは思っていないかもしれない。

形容動詞[編集]

「意外」「みじめ」など、助詞「な」「に」がついて連用形・連体形をなす用言ではある。一般的には自立語とされ述語ともされるが、助動詞「だ」「です」「である」と接続して述語をなし自立語となる。

助詞[編集]

いわゆる「てにをは」である。とりたて詞・格助詞・その他の助詞の三種がある。
「は」「が」はとりたて詞、「に」「を」は格助詞、その他の助詞としては「へ」「から」「まで」などがある。 格助詞は述語から一意に要求される文法格を表す。その他の助詞は一意でないため、「東へ西へ」「前から後ろから」などの表現は誤ではない。

接続詞[編集]

文接続詞と接続詞に分類する流儀もあるが、文接続詞とならない接続詞は「ものの」くらいしかない。
「が」「しかも」「そこで」「とはいえ」「ともあれ」「なので」「ゆえに」のように、文脈を引き継ぐ語である。

感嘆詞[編集]

「嗚呼」(「あゝ」)など。

分類不明の品詞[編集]

する動名詞[編集]

自立語としても使われ、「する」にも接続して述語ともなる。漢語系が多い。

タルト(?)[編集]

「各癪(かくしゃく)」「毅然(きぜん)」「颯爽(さっそう)」「堂々」など、「たる」「と」に接続する語。教育的な立場ではどうでもいい話だが、日本語処理においては重視される語である。

きり(?)[編集]

「あっさり」「うっとり」「うんざり」「さっぱり」「すっきり」「どっきり」「ほっこり」「ほんわか」「めっきり」「ゆったり」「まったり」など。「と」がついて「する動名詞」に接続することもあり、「する動名詞」に直接接続することもある。

脚注[編集]