助けて秋吉くん!
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『助けて秋吉くん!』(たすけてあきよしくん!)は、不破悠による日本のライトノベル。イラストは超肉が担当。ホビージャパン・HJ文庫より全4巻が刊行された。
タイトルに付けられている感嘆符(!)の数は巻数を表しており、第1巻「関野帆乃佳の場合」は1個、第2巻「西条麻弥の場合」は2個となっている。
ストーリー[編集]
ゴールデンウィークも終わりに差しかかった日曜日の夕方。趣味のプラモデル作りに興じていた平凡な高校生・秋吉純は、部屋に置いてある電源の点いていないテレビ画面から誰かが自分を呼ぶ声を耳にする。
「助けて秋吉くん!」
その声は、純と特に親しい訳でもない同級生・関野帆乃佳のものであった。そして、画面から青白い光と共に帆乃佳の幽霊が現れるが、翌日に純が登校すると帆乃佳はまだ生きていた。
帰宅後、ほのか(霊)の話から今は生きている帆乃佳がそう遠くない内に何らかの原因で命を落とすことになるが、その理由をほのか(霊)の口から話すことは出来ない決まりだと知らされる。純は理由が何であれ、ほのか(霊)が自分を頼っている以上は帆乃佳の死を回避する手掛かりを探そうと考え、ストーカー呼ばわりされながらも帆乃佳に必死でアプローチを試みる。
登場人物[編集]
- 秋吉 純(あきよし じゅん)
- 取り立てて長所がある訳でもない普通の男子高校生。超ロングラン放送のロボットアニメ「軌道戦士グレンダム」の鑑賞と、グレンダムのプラモデル・通称「グレプラ」を組み立てるのが趣味。
- ほのか(霊)に助けを求められ、その死因についてのヒントが与えられない中で帆乃佳の死を回避する手掛かりを探した結果、ある事件に巻き込まれながらも帆乃佳の救出に成功するが、帆乃佳の死が回避されたことにより消滅したほのか(霊)との日々を忘れられないでいる。
- じゅん(霊)
- 第4巻に登場する純の幽霊。ジュン(霊)の出現は近い将来、純が何らかの原因により命を落とすことを意味するため1〜3巻までとは逆に、純自身が帆乃佳たちの協力を借りる形で自らの死を回避する形となる。
ヒロイン[編集]
- 関野 帆乃佳(せきの ほのか)
- 1巻のヒロイン。純の同級生だが、出身中学も別々であり特に純と親しい訳ではなかった。ところが、ゴールデンウィーク明けから突然、純が自分の行く先々に現れるようになり、当初は純がストーカーではないかと疑う。
- その後、ある事件に巻き込まれたところを純に救われる。その後は「湾・フェスティバル」へ行ったり模型研究部の立ち上げに関わったりしながら次第に純との距離を縮めている。
- ほのか(霊)
- 近い将来、何らかの原因により命を落とした帆乃佳の幽霊。純と死神以外にはその姿は見えない。霊体は時空間の概念を超越して行動することが可能であり、帆乃佳が死んだ時間から遡って純に助けを求めて来た。但し、規則により過去の人間に対して自分の死因を具体的に説明することは出来ない。
- 純と同時間に生きている帆乃佳と異なり、純しか頼れる相手がいないという一心で積極的にアプローチして来る。しかし、自らが望んだことであるとは言え純の奮闘により帆乃佳の死が回避された結果、消滅した。
- 西条 麻弥(さいじょう まや)
- 2巻のヒロイン。中学2年生。陸上部のエースで、帆乃佳とは対照的に常日頃から積極的に行動するタイプ。大型フェリーを借り切って開催される模型の祭典「湾・フェスティバル」で純と知り合うが、プラモデルの収集・組み立ての話題で早々と意気投合。人目をはばかること無く、純の気を引くべく積極的にアプローチを試みる。
- マヤ(霊)
- 未来から純に助けを求めて来た麻弥の幽霊。帆乃佳とほのか(霊)の純に対する接し方と比べると麻弥とのギャップは小さい。「湾・フェスティバル」会場の客船内にある男子トイレの鏡から出現したせいで、男子トイレの個室に地縛霊として釘付けになってしまう。
- 町鳥 奈々実(まちどり ななみ)
- 3巻のヒロイン。2年に昇級した純たちの担任になった新卒教師。模型研究部の立ち上げに際して顧問を引き受けるが、重度のスケールモデル至上主義で部室に飾ってあったグレプラを条件反射的に壊してしまう。以後、純たちの不満などお構い無しで「グレプラ禁止」の方針を打ち出し、ひたすらランナー伸ばしとピンパイスを使った穴開けのトレーニングを強いる。あだ名は「まっち」。
- 大学時代は模型雑誌でたびたび取り上げられる腕前の有名モデラーで、人気テレビ番組「TVエンペラー」の「モデセラー皇帝選手権」で優勝したこともある。
- ななみ(霊)
- 奈々実の幽霊であるが、純と遭遇する前から模型研究部の部室でこっそり生前に壊してしまったグレプラを修理していた。
その他の人物[編集]
- タナカさん
- 貧相な中年サラリーマンの姿をした死神。時空間の概念を超越する幽霊の行動を監視し、幽霊がその死を回避する目的で過去の人間に自分の死因を具体的に教え、或いは示唆する行動を阻止する権限を持つ。但し「結果的に」死が回避された場合はこの限りではなく、純が自らの意思で帆乃佳や麻弥の死を回避すべく行動することに関しては何らの妨害も行わない。
- その立場上、幽霊の行動を常に監視しており必然的に幽霊とペアになっているが、純と幽霊たち以外にはその姿は見えない。
- 小沢 亜須未(おざわ あすみ)
- 純の同級生で、帆乃佳の親友。美人だが性格は軽い方で、帆乃佳とは対照的だが人当たりの良さから帆乃佳が高校に入学して最初で最大の親友になった。麻弥とは家が隣同士で、湾フェスの会場で純たちに麻弥を紹介する。模型研究部の立ち上げに参加するが、奈々実のトレーニングに音を上げて脱落しかかっている。
- 平野 茂吉(ひらの しげよし)
- 大規模農家の息子で、純の小学校時代からの親友。普段は名前の音読みで「モキチ」と呼ばれている。180センチ・90キログラム超の巨体が特徴で柔道部に所属しているが、気が小さく特に怪談は苦手。現在は純とは別のクラスだが、休み時間に会ってグレンダムの話をすることが多い。プラモデル以外ではサバイバルゲームが趣味。
- 富田 数良(とみた かずよし)
- 純の同級生。1年生で早くもサッカー部のレギュラーに抜擢され女子の人気を独占していたが、その裏ではストーカーとして帆乃佳を追い回し、脅迫していた。
既刊一覧[編集]
日本以外では台湾・東立出版社より繁体字中文版が「秋吉同學幫幫忙」の表題で刊行されている。
- 助けて秋吉くん! -関野帆乃佳の場合-
- 2006年11月1日初版 ISBN 9784894254756
- 助けて秋吉くん!! -西条麻弥の場合-
- 2007年5月1日初版 ISBN 9784894255494
- 助けて秋吉くん!!! -町鳥奈々実の場合-
- 2008年5月1日初版 ISBN 9784894257047
- 助けて秋吉くん!!!! -秋吉純の場合-
- 2009年1月1日初版 ISBN 9784894258051