佐賀男児ひき逃げ放置事件

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佐賀男児ひき逃げ放置事件とは、佐賀県唐津市2006年5月20日に発生した小学生をひき逃げの上、事故現場とは別の場所に放置した殺人未遂事件である。 

事件の経緯[編集]

佐賀県唐津市で2006年5月20日午後5時過ぎ、同市立厳木小広川分校5年の11歳の男児が同市厳木町星領の県道三差路でダンプカーにひき逃げされ、事故現場から約3.2キロ(地裁判決文による)離れた林道に放置された。約8時間後に家族が林道で倒れている男児を発見する。一命は取り留めたが、頭の骨を折るなど1か月の重傷を負った。男児は23日間の入院生活をする事になったが6月13日に元気に退院している。

5月21日午後3時ごろ、白バイ隊員は同市浜玉町の農道で前の部分が壊れた青いダンプカーを発見し、車内に血痕を見つけたことから職務質問を行っていた。この際に、隊員が応援を呼ぶため現場を離れた際犯人は逃亡した。この件で県警は批判されたが、発見した事自体はこの隊員の手柄だったため、県警は「ミスとは言えない」とした。この男を、佐賀県警は5月23日道交法違反と業務上過失傷害容疑で全国に指名手配した。

5月24日午後、指名手配していた犯人を同市内で発見し、午後8時53分に業務上過失傷害と道交法違反容疑で逮捕した。犯人は職務質問後は山中の穴の中に隠れていたが、喫煙者だったため、タバコが吸いたいのを我慢できなくなり、タバコ自販機のある集落へ現れたところを逮捕された。

佐賀地方検察庁は6月15日、容疑者を「殺人未遂」で起訴した。この罪で裁かれた場合は、不真正不作為犯による判例が一つ加わるという裁判となった。2007年2月15日懲役7年を求刑2月28日佐賀地方裁判所は「社会通念に照らして殺人の実行行為に当たる」として殺人未遂で懲役5年6月を言い渡した。弁護側は即日控訴を行った。

2007年6月6日福岡高等裁判所で初公判は開かれ、即日結審。弁護側は一審同様「被告は事故の時点で男児が既に死亡したと思っていた」と主張し、殺人未遂には当たらないとして無罪を主張。検察側は控訴棄却を求める。7月6日に言い渡された判決では、一審の「未必の故意」の認定を破棄し、「確定的な殺意」だとして改めて懲役5年6月を言い渡した。

外部リンク[編集]

  • 佐賀地判平成19年2月28日(平成18年(わ)第114号)判例情報、2014年8月20日閲覧