企業別組合

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企業別組合(きぎょうべつくみあい)とは、企業別に組織された労働組合企業別労働組合企業内組合会社組合従業員組合ともいう。狭義には企業別に組織された単位組合を指し、広義には事業所別組合企業別連合体も含む。欧米の労働組合は産業別組合職業別組合の形態をとることが多く、労働者は産業別組合の地域や企業ごとに設けられた支部に所属したり、同一企業の従業員でも職種ごとに別々の労働組合に所属したりする。アメリカでは1935年制定の全国労働関係法(通称ワグナー法)で「company unions」を禁止している。欧州諸国では企業別組合に類似する従業員協議制を設けている。戦後日本の労働組合は企業別組合や事業所別組合の形態をとることが多く、同一企業の従業員はブルーカラーもホワイトカラーも工職混合で同一の企業別組合に所属する。同一産業の企業別組合や企業別連合体、企業グループ労連が産業別連合体を構成する。日本で企業別組合が主流となったのは、戦時中にドイツ労働戦線(DAF)に倣ってつくられた産業報国会の経験に起因するとされる。大河内一男は日本の賃労働の特質を農村の過剰人口が都市や工場地帯で賃労働に従事し不況時には帰村する「出稼ぎ型」と規定し、都市や工場地帯に労働人口が集積せず横断的な労働市場が形成されなかったためだとした。のちに大河内は主張を変え、第一次世界大戦前の労働市場、特に熟練工の労働市場は横断的であったが、大正から昭和初期の恐慌下に企業内訓練や年功賃金をはじめとする資本の労務政策で長期雇用慣行が生まれ、労働市場が企業別に分断されたためだとした[1]ジェイムズ・アベグレンは『日本の経営』(1958年)で終身雇用年功序列、企業別組合を日本的経営の特徴とした。高度経済成長後にこの3つは日本的経営の「三種の神器」と呼ばれるようになった。

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