二村一夫

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二村 一夫(にむら かずお、1934年 - )は、歴史学者。法政大学名誉教授、法政大学大原社会問題研究所名誉研究員。専攻は労働史[1]

経歴[編集]

長野県松本市生まれ。1956年東京大学文学部国史学科卒業。1958年法政大学大学院社会科学研究科修士課程修了、同大学助手。1960年東邦大学専任講師、1963年助教授。1966年法政大学大原社会問題研究所兼任研究員、1967年同専任研究員。1999年定年退職。この間、1973年より法政大学教授。1976~1978年欧米留学。1985~1994年法政大学大原社会問題研究所所長。1994~1996年社会政策学会代表幹事[2]

人物[編集]

兵藤釗中西洋池田信小松隆二らとともに、1960年代に歴史研究の分野で革命運動に結びついた「労働運動史」研究から史料に基づく事実ベースの「労資関係史」研究への転換を担った世代の1人[3]

法政大学大原社会問題研究所の『復刻シリーズ日本社会運動史料』(207冊)、『社会・労働運動大年表』の編集責任者。1999年に「大原デジタルライブラリー」を開設[1]

1997年より自身で『オンライン版 二村一夫著作集』を刊行し[1]、大半の著作を無料で公開している。

著書[編集]

  • 『足尾暴動の史的分析――鉱山労働者の社会史』(東京大学出版会、1988年) - 平成元年度(第12回)労働関係図書優秀賞受賞[4]
  • 『The Ashio Riot of 1907』(Duke University Press, 1997)[5]
  • 『労働は神聖なり、結合は勢力なり――高野房太郎とその時代』(岩波書店、2008年) - 第15回(2008年)社会政策学会学術賞[6]、平成20年度冲永賞受賞[7]
  • 『二村一夫著作集(全8巻)』(旬報社、2024年、刊行中)

編著[編集]

  • 『石母田正著作集』(青木和夫、石井進、大隈和雄、遠山茂樹、戸田芳実、永原慶二、早川庄八、吉岡真之、吉田晶共編、岩波書店、1988-1989年)

訳書[編集]

  • 高野房太郎『明治日本労働通信――労働組合の誕生』(大島清共編訳、岩波書店[岩波文庫]、1997年)
  • アンドルー・ゴードン『日本労使関係史――1853-2010』(岩波書店、2012年)

出典[編集]

  1. a b c 労働は神聖なり,結合は勢力なり 岩波書店
  2. 二村一夫「大原社会問題研究所との43年間」『法政大学大原社会問題研究所雑誌』No.484、1999年3月
  3. 金子良事「人事管理・労使関係・経営 ゴードン『日本労使関係史』PDF」『日本労働研究雑誌』第58巻第4号、2016年4月
  4. 受賞図書一覧:労働関係図書優秀賞 労働政策研究・研修機構(JILPT)
  5. 日本労使関係史 / ゴードン,アンドルー【著】〈Gordon,Andrew〉/二村 一夫【訳】 紀伊國屋書店ウェブストア
  6. 学会賞 社会政策学会
  7. これまでの冲永賞表彰 労働問題リサーチセンター

外部リンク[編集]