プロダクション人力舎
プロダクション人力舎は、日本の芸能事務所。コント師の芸人が多いことで有名である。東京初のお笑い専門学校「スクールJCA」を設立した。
社風[編集]
「お昼過ぎにお腹がすいたら出社、六時には退社、土日祝日はきっちり休み」という噂が流れたほど、社風は大らかで緩い。そのためか、所属人数は他事務所に比べて圧倒的に少ないものの、各芸人の自主性・個性が育っており、結果として異彩を放つ芸人を多く抱えている。
上下関係は先輩に対して「さん」付けしなければいけない程度で厳しくなく、先輩のアンジャッシュやアンタッチャブルにおぎやはぎはタメ口で話すなど、芸人の間でも先輩後輩としての区切りを意識していない(TV出演時は別だが、先輩が後輩を厳しく注意することはない)。
一時、入ったばかりの新人が先輩芸人に必要以上に挨拶をしていたらしいが、おぎやはぎ矢作が「それ(挨拶)をやめさせろ」という発言をしたらしく、最近は以前以上に上下関係がなくなったとの情報もある。これは「必要以上に先輩というだけで気を使わせないため」「恐怖政治のような上下関係は笑いにおける妨げになる」という矢作なりの考えがあってのこと[1]。また、ライブの関係者席に知らずに芸人が座って叱られたり、など、しきたりやマナーについても指導される事があまりなく無頓着である[2]。
ただし、他の事務所の芸能人と共演する際は先輩への挨拶・敬語等が不可欠なため、東京03が『オールスター感謝祭』に出演した際、司会の島田紳助から事前に挨拶がなかった事で生放送中に恫喝され、その一件がスポーツ新聞の一面に報じられた事がある[3]。この件に関しては、島田紳助に挨拶に行ける時間がなかったほどの長蛇の列ができていたのが大きな原因であり、結果として、報じられたのも事実である。紳助の同期である明石家さんまは、東京03の気遣いを紳助が誤解したもので「互いに誤解して起きたことだから、仕方ない」とフォローしたほか、ビートたけしは先輩芸人に対する過度な礼儀の強制を、「出番前にタレントがいちいちオレんとこにあいさつに来て、うるさくってしょうがない。」と苦言を呈している。
給料に関してはアンタッチャブルが「笑っていいとも!」(フジテレビ系列)出演時に「事務所がもっていく分は4割ほど」と発言している。他のお笑い専門の芸能事務所と比べると芸人がもらえるギャラの比率が高いようで、松本人志、高須光聖によるラジオ番組「放送室」2006年10月7日放送分で松本が「吉本やホリプロは低いが、人力舎(のギャラ)はやっぱ凄いらしいで」と発言している。
ワイドナショーにて東野が「もともと人力舎も吉本と同じ分配だったのを矢作くんが相当頑張って交渉して5:5にした(人力三大革命の一つ)」と語っている。松本と食事を共にした人力舎所属のある若手芸人は「もうお金はいらない」と豪語していたと語り、松本曰く「吉本であそこまで稼ぐのは相当大変」と事務所間のギャラの配給制度の差に感心していた。ただしコンテストなどの賞金も4割持っていくらしく(他事務所では賞金は全額タレントの取り分という場合が多い)、M-1グランプリで優勝したアンタッチャブルは賞金から約400万円持っていかれ、事務所のリフォーム費用として使用されたと語っている。東京03とキングオブコメディもキングオブコントの賞金を同様に4割引かれた。
おぎやはぎ所属以前の人力舎は、今のアットホームな雰囲気はなく、芸人同士の会話も皆無であり険悪で荒んでいたと言われていた。彼等が入ってきてから、おぎやはぎ(特に矢作兼)が芸人間を取り持って和やかな雰囲気を保ち、一つに纏め上げた。東京03はそれを「人力舎の三大革命」の一つとして語っている。
加えて、おぎやはぎ所属前の人力舎は、テレビに出ている芸人が一人もおらず、潰れかけていた。矢作兼はそれを持ち前の営業センスで他事務所と交流を取り(バナナマンなど)合同ライブを行う事でテレビ関係者の目に留まる状況を作り上げた(人力三大革命の一つ)。このように矢作兼が人力舎を立て直したと言っても過言ではないほどの変革を行い、潰れかけていた人力舎は立ち直る事ができたと人力舎の芸人は語る。おぎやはぎもM-1グランプリで決勝に進出し、人気が出るようになった。
所属する主なタレント[編集]
- 東京03 - キングオブコント2009優勝。
- 鬼ヶ島 - キングオブコント2013準優勝。
- 今野浩喜 (元キングオブコメディ) - キングオブコント2010優勝。
- オアシズ
- アンタッチャブル - M-1グランプリ2004優勝。
- おぎやはぎ - M-1グランプリ2002第4位。
- アンジャッシュ
- ラバーガール - キングオブコント2014第3位。
- 真空ジェシカ - M-1グランプリ2020一回戦トップ通過、準々決勝進出。
- トンツカタン - 第40回ABCお笑いグランプリ決勝進出。
- 岡野陽一 (元巨匠) - キングオブコント2015、2016決勝進出。
- 吉住 - 女芸人No.1決定戦 THE W 2018・2020ファイナリスト、2020年は優勝。
- ザ・マミィ - キングオブコント2020準決勝進出。
- ターリーターキー - 女芸人No.1決定戦 THE W 2020ファイナリスト。
過去の所属者[編集]
- ブッチャーブラザーズ:1990年代前半に所属。スクールJCAの講師もしていた。