リコーダー

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リコーダー(recorder)とは、リードを持たないエアリード式の、木製またはABS樹脂(プラスチック)でできた単純な縦笛。

概要[編集]

指で穴を開閉することにより、音の高さを変える。音色は少し柔らかく、小鳥の鳴き声のように輝かしい華やかな響きを持つ。ノイズを全く含まない、張りのあるきれいな音がする。音域は2オクターブと全音(2オクターブちょっと)であり、ギリギリ狭く、1つのリコーダーで出せる音域が限られている。木管楽器の一種で、フルートの仲間に含まれる場合もある。音域の違ういくつかの種類を持つ楽器。

由来は、レコーダーと同じスペルで「記録する」という意味や、「小鳥がさえずる」の意である「to record」を名詞化したものの英語から名付けられている。

フルートやクラリネット等と比べて音を出すのがはるかに簡単ということもあり、教育楽器の一つとなっていて、小学校3年生から音楽の授業でリコーダーを使うようになる。小学校ではソプラノリコーダー、中学校以上はアルトリコーダーを使用する。運指を覚えて課題の曲を教員の前で演奏する実技テストを行う学校も多い。

リコーダーの種類は、クライネソプラニーノ、ソプラニーノ、ソプラノ、アルト、テナー、バス、グレートバスの7種類で、C管とF管が用意されている。いずれも移調楽器ではなく、ハ調の楽譜(in C)で記譜されるが、ソプラノ以上の高いものは1オクターヴ低く記譜される。ソプラニーノリコーダーはF管であるが、調を変えず、実音より1オクターブ低く記譜する。アルトリコーダーは、ソプラノリコーダーより音域が全体に5度低い。クライネソプラニーノリコーダーは、別名「ガークライン」とも呼ばれる。テナー以上の大きなものは、管が長く、穴の間隔が広くなり、指が届かないため、フルートやクラリネットなどと同じように長いキーが付いている。更にバス以上の大きなものになると、吹き口に金属製の曲がった細長い管=S文管が付いている。一般的にはソプラノリコーダーやアルトリコーダーを指す。

ソプラノリコーダーの音域の下半分は、ソプラノオクターブ(C4〜B4)と共通の音域をカバーしている。

クライネソプラニーノリコーダーの最高音は、D7(約4698.64Hz)であり、88鍵のピアノの最高音(C7、約4186.01Hz)より半音2つ高く、88鍵のピアノの音域の範囲を超えていて、音程感として認識できる上限を超えているため、ほとんど音程感の無い音である。また、クライネソプラニーノリコーダーはヤマハのメーカーには無い。

記譜する時は、ソプラニーノリコーダーの場合、調を変えずに実音より1オクターブ低く記譜する。ソプラノリコーダーは、実音より1オクターブ低く記譜する。

記譜における音域は総て同じである。

ソプラノリコーダーには、バロック式とジャーマン式の2種類がある。

バロック式

ソプラノのファ(アルトではシ♭)の音の運指が音階順でない。大きさの異なるリコーダーは、バロック式のみであり、その方が、#や♭の運指が簡単で、大きさの異なるリコーダーに運指を応用できる。バロック式はイギリス式、英語式である。

ジャーマン式

ドイツ式。ソプラノのファ(アルトでは実音シ♭に当たる)の音の運指が音階順である。階名の「ファ」の指使いが簡単な仕組みである。デメリットは、#や♭の運指が難しい。運指が音階順であるジャーマン式は、ソプラノリコーダーしかないため、大きさの異なるリコーダーに運指を応用・共通できない。ジャーマン式は、小学校用で使われる。ジャーマン式は1930年にドイツで考案された。

木製とプラスチック製の違い[編集]

プラスチック製は、あらゆるものにでも使えて便利な材料で、簡単に加工ができ、すぐ作れるが、響きが浅く、しなやかさが減り、音量がやや弱く、ピッチが安定しにくく、リコーダーらしい音がしにくいこともある。

主な材質は、管体は軽い材質のメイプル(楓)、ローズウッド、キングウッド、黒檀などでできている。

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関連項目[編集]