ヤエヤマイシガメ
ヤエヤマイシガメ | |
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分類 | |
目 | カメ目 |
科 | イシガメ科 |
属 | イシガメ属 |
種 | ミナミイシガメ |
亜種 | ヤエヤマイシガメ |
名称 | |
学名 | Mauremys mutica kami Yasukawa, Ota, et Iverson, 1996 |
和名 | ヤエヤマイシガメ (八重山石亀) |
英名 | Ryukyu yellow pond turtle |
保全状況 | |
ワシントン条約 | 附属書II |
ヤエヤマイシガメとは、カメ目イシガメ科に属するミナミイシガメの亜種である。
概要[編集]
石垣島・西表島・与那国島に自然分布しており、瀬底島・沖縄島・阿嘉島・久米島・宮古島・来間島・波照間島に人為的移入されている。
雑食性で、魚類や昆虫・水草などを食べる[1]。
春に交尾し6月から7月に地面に穴を掘って産卵する[1]。
形状[編集]
甲羅は淡い灰色や黄褐色、淡褐色。
一般的にカメは、オスよりメスの方が甲長は長いが、ヤエヤマイシガメはオスの方がメスより甲長が長くなる。なおタイリクミナミイシガメにはこの特徴はなく、甲長はオスよりメスの方が長い。
タイリクミナミイシガメには目の後に黄色い斑紋があるが、ヤエヤマイシガメはその黄色い模様がない。
成体は、側面のキールは不明瞭か存在しない。雄の胸部は通常深く凹んでいる。
分類[編集]
かつてはタイリクミナミイシガメと同亜種とされていたが、1996年の研究で形状的な差があることから別亜種とされ、新亜種記載された[2]。
亜種小名の“kami“は、沖縄語で「カメ」を意味する『カミ』に由来する。
人間との関係[編集]
健康食品・ペット用として海外に輸出されている。
ヤエヤマイシガメの生息数は数十万匹であると考えられており、2013年8月から2014年の間に約6千匹が輸出されていた。輸出先のほとんどが香港であり、1匹3千~6千円で取引されている[3]。
環境省は、2015年5月18日に「これ以上輸出すると絶滅する可能性がある」との理由で、当面の間、ヤエヤマイシガメの輸出を禁じた[4]。
宮古島では、1992年頃から確認されており、県の天然記念物に指定されている「ミヤコサワガニ」や準絶滅危惧種のミヤコヒキガエルを捕食することが分かり、駆除されている[5][6]。
石垣島、西表島、与那国島に分布するものは、沖縄県希少野生動植物保護条例の指定希少野生動植物種に指定されており、捕獲・採取、殺傷・損傷が禁止されている。それ以外の地域では捕獲などは出来る。
脚注[編集]
- 出典
- ↑ a b “ヤエヤマイシガメ”. 侵入生物データベース. 2022年8月5日確認。
- ↑ Yuichirou, Yasukawa; Hidetoshi, Ota; John B., Iverson (1996-04-01). “Geographic Variation and Sexual Size Dimorphism in Mauremys mutica (Reptilia: Bataguridae), with Description of a New Subspecies from the Southern Ryukyus, Japan”. Zoological Science (Zoological Society of Japan) 13 (2): 303-317 .
- ↑ “環境省、亜種ヤエヤマイシガメを含む種ミナミイシガメの輸出を禁止”. tenbou.nies.go.jp (環境展望台). (2015年5月18日) 2022年8月5日閲覧。
- ↑ “沖縄・八重山のイシガメ、当面輸出禁止に 乱獲で激減”. www.nikkei.com (日経新聞). (2015年5月18日) 2022年8月5日閲覧。
- ↑ “ヤエヤマイシガメ 宮古島で繁殖、駆除も 識者、移動に警鐘”. www.ryukyushimpo.jp (琉球新報). (2015年3月7日) 2022年8月5日閲覧。
- ↑ “イシガメ駆除を開始/宮古島市”. www.miyakomainichi.com (宮古毎日新聞). (2014年3月27日) 2022年8月5日閲覧。