ムタワッキル

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ムタワッキル822年3月 - 861年12月11日)は、アッバース朝の第10代カリフ(在位847年 - 861年)[1]

生涯[編集]

第8代カリフ・ムウタスィムの子[1]。第9代カリフのワースィクの弟で、847年に即位した[1]

ムタワッキルは王権回復に尽力し、カリフ位の神格化を行なって自らを「現世における神の影」と称した[1]。さらに以前は容認されていた分離派を弾圧し、キリスト教に対する差別も強化し、さらにマムルーク系軍閥を抑圧したため、これら弾圧政策の反動から各地で反乱が勃発し、それに乗じて東ローマ帝国の侵略まで受けた[1]。これらの平定に結局はマムルークの力を借りたため、かえってマムルーク軍閥の勢力は増大し、カリフの権力は形骸化した[1]

さらに後継者でも長男のムンタスィルを廃して偏愛していたその弟であるムウタッズを指名しようとしたため、861年にムタワッキルはムンタスィルとマムルーク軍閥によって暗殺され[1]、カリフの地位はムンタスィルが継いだ。享年40。

脚注[編集]

  1. a b c d e f g 小和田『世界帝王事典』P87

参考文献[編集]