ミステリークレイフィッシュ
ミステリークレイフィッシュ | |
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分類 | |
ドメイン | 真核生物 |
界 | 動物界 |
門 | 節足動物門 |
綱 | 軟甲綱 |
目 | 十脚目 |
科 | アメリカザリガニ科 |
属 | アメリカザリガニ属 |
種 | ミステリークレイフィッシュ |
名称 | |
学名 | Procambarus virginalis Lyko, 2017 |
和名 | ミステリークレイフィッシュ |
英名 | Marbled crayfish Marmorkrebs |
保全状況 |
ミステリークレイフィッシュとは、アメリカザリガニ科に属するザリガニの一種である。「マーブルクレイフィッシュ」「ミステリーザリガニ」「マーモクレブス」という別名もある。
形状[編集]
体長は7~10cm。マーブル状の模様がある。
生息環境や餌成分により体色は代わり、青くなる場合がある。
側面の暗色縞がなく、触角の基部付近に暗色斑を持つ。
発見[編集]
1995年、米国フロリダ州エバーグレーズで捕獲されたスラウクレイフィッシュがドイツの生き物フェアに売り出された[1]。
それをある愛好家が買い、育ててみると交尾をしないで繁殖した。然し、爆発的に繁殖したため、近所のペットショップに持ち込み、それをまた別の愛好家が買い、増えていった[1]。
分類[編集]
スロウザリガニ (学:Procambarus fallax )と形状及び遺伝子的に近い。
エバーグレーズに生息するスロウザリガニ個体群と同じ遺伝子型を持つ[2]。
移入[編集]
欧州では2004年以降、野外で見つかっている。マダガスカルでも食用として移入され、定着している。
ドイツで見つかったミステリークレイフィッシュにザリガニペストが検出された事例があり、地域に放流されるとそれが拡散される危険性がある。
日本への移入[編集]
日本でも逃されたと思われる個体が2007年(平成19年)に北海道札幌市の西岡公園で見つかった。
2018年(平成30年)3月には愛媛県松山市の河川でも発見される[3]。本州東部や四国、九州で定着の可能性があり、コメの生産に影響の可能性があるとされる。
2019年(令和元年)2月28日、本種を「特定外来生物」に指定する事が閣議決定した。然し、この時は指定されなかった。
2020年(令和2年)9月11日に、本種を含むザリガニほぼ全種を特定外来生物に指定することが閣議決定し、同年11月2日に指定された。
2024年(令和6年)10月29日、環境省は沖縄県那覇市の天久ちゅらまち公園でミステリークレイフィッシュが複数捕獲され、定着した可能性があると発表した[4]。
脚注[編集]
- ↑ a b SarahGibbens (2018年2月9日). “クローンを作って激増したザリガニ、秘密は染色体”. natgeo.nikkeibp.co.jp 2024年1月3日閲覧。
- ↑ Gutekunst J.; Maiakovska O.; Hanna K.; Provataris P.; Horn H.; Wolf S.; C. E. Skelton; N. J. Dorn et al. (2021). “Phylogeographic reconstruction of the marbled crayfish origin”. Commun Biol 7 (1096). .
- ↑ 西川潮、東典子、佐々木進一、岡智春、井上幹生「西日本におけるマーモクレブスの初記録と淡水生態系への脅威」、『Cancer』第26巻、2017年、 5-11頁、 。
- ↑ 環境省 (2024年10月19日). “沖縄県内におけるミステリークレイフィッシュの野外初確認について” 2024年10月31日閲覧。