フクロオオカミ

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フクロオオカミ
Tasmanian wolf.jpg
分類
動物界
脊椎動物門
哺乳綱
フクロネコ目
フクロオオカミ科
フクロオオカミ属
フクロオオカミ
名称
学名Thylacinus cynocephalus
(Harris, 1808)
和名フクロオオカミ
タスマニアタイガー
タスマニアンタイガー
タスマニアオオカミ
英名Thylacine
Marsupial wolf
Tasmanian wolf
保全状況
IUCNレッドリスト絶滅

フクロオオカミとは、フクロネコ目フクロオオカミ科の哺乳類である。

概要[編集]

名前に「オオカミ」「タイガー」と付いているが、オオカミもしくはトラの仲間ではなく、有袋類の仲間である[1]

フクロオオカミは、フクロオオカミ科に属する最後の種であった。

形状[編集]

体長100〜130cm[2]

体はで、頭はオオカミのような見た目をしていた。背中に13~19本の茶褐色の縞模様があり、この模様がトラに似ているため「タスマニアタイガー」という別名の由来になっている[3][4]

メスに育児嚢があり、その育児嚢で子供を育てる。

袋の中に乳首が4つあり、1回の出産で2~4頭の子を産む[1]

生態[編集]

オーストラリア大陸からニューギニアにかけて分布していた[2][4]。オーストラリア最大の肉食動物であった。

半夜行性で、単独行動をし、夜間になると餌を待ち伏せて捕食していた[5]

他種の有袋類、ネズミ、小型の鳥類などを食べる[2]

絶滅[編集]

3万年前、人類がオーストラリア・ニューギニアに到着し、この時にディンゴが移入された。[1]ディンゴは集団で狩りをするがフクロオオカミは単独で狩りをするため、生存競争に負けてしまい3000年前にオーストラリア大陸のものが絶滅した[4]

オーストラリアで絶滅した後もタスマニア島に住んでいたフクロオオカミは、生き残っていたが[2]、羊を襲う害獣として駆除されるようになり、1830年になると懸賞金が賭けられるようになった[1][3]

1936年9月7日にタスマニア島のホバート動物園で飼育されていた「ベンジャミン」という個体が死んでしまい地球上から完全に姿を消した[1]

なお1940年代まで野生の個体が生存していた可能性が指摘されている。そして1982年に絶滅したことが宣言された[6]

生存説[編集]

絶滅した1936年以降もフクロオオカミが目撃情報が相次いでいるが、生存していることを証明できる証拠は今のところ存在しない[2]

1910~2020年までの110年間の目撃情報を使い解析した結果、2000年まで生きていたという結果になった[1]

主な目撃情報[編集]

  • 2019年2月タスマニア州で、車を運転しているときに、固い尾で、背中にしま模様がある動物を目撃した。

復活[編集]

2022年8月16日にコロッサル社が、オーストラリアのメルボルン大学の研究チームともに、フクロオオカミのを脱絶滅される計画を発表した[5]

この計画では、「クリスパー (CRISPR)」という遺伝子編集技術を使用し、最も近い現生種である「フクロアリクイ」のゲノムをフクロオオカミのゲノムに似せて改変されるという方法が提案されている[7]

だが、フクロオオカミのゲノムは断片的であり、その空白部分を埋めることは困難である[7]

脚注[編集]

脚注
出典