スロベニア鉄道
スロベニア鉄道(スロベニア語:Slovenske železnice、略称:SŽ))とはスロベニアで鉄道事業を行う国有鉄道である。
歴史[編集]
現在ある鉄道網の大部分はスロベニアがオーストリア=ハンガリー帝国領だった時代に建設された。最も重要だったのは帝国南部鉄道(SStB)によって建設され1857年から運行されていたウィーンとリュブリャナの結ぶウィーン=ゼメリンク=グラーツ=トリエステ線であった。第一次世界大戦後、オーストリア=ハンガリー帝国の敗戦・解体に伴い、現在のスロベニアの領土の大半は1929年からユーゴスラビア王国領となり西部の一部地域はイタリア王国領となった。そしてそれぞれの獲得領土で領土セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国鉄道(1929年からはユーゴスラビア国鉄)とイタリア国鉄に統合された。第二次世界大戦後はイタリア王国はイストリア半島の一部をユーゴスラビアに割譲することになった。
それ以来スロベニアの鉄道はユーゴスラビア鉄道によって運行されることになる。
1990年代にユーゴスラビア内戦でユーゴスラビアが解体されると、独立国はそれぞれ独自の国有鉄道を設立した。スロベニアは1991年にリュブリャナ総局からスロベニア鉄道に再編・設立された。
現在プレシュニツァ=コペル線の勾配が急なため、ディヴァチャ-コペル線という新路線を建設している。2026年に単線として開業する予定で、複線化されるのは2030年に計画されている。
組織[編集]
SŽグループの子会社は以下のとおりである。
- SŽ-Infrastruktura, d.o.o.:インフラ管理
- SŽ-Potniški promet, d.o.o. :旅客輸送
- SŽ EP Logistika
- SŽ-Tovorni promet, d.o.o.:貨物輸送
- Fersped, d.o.o.:運送事業
- SŽ-Vleka in tehnika, d.o.o.:車両整備
- SŽ-Železniško gradbeno podjetje:鉄道建設
鉄道網[編集]
スロベニアの鉄道網は1207㎞に及ぶ。そのうち334㎞阪神は関係ないは複線である。また610㎞は直流3㎸で電化されている。これは第二次世界大戦中の1942年にイタリア占領地域のスロベニアの路線で初めて路線が電化されたためであり、そこからイタリアの電化基準で電化された。現在も架線システムはイタリアの設計に準ずる。オーストリア及びクロアチア国境付近の路線では一部交流電化されている。電力システム切り替え駅はシュピールフェルト通り駅(オーストリア)、ドボヴァ駅とシャピャネ駅(クロアチア)である。
車両[編集]
ŽSの車両は多様で、主にドイツ、フランス、アメリカ製の機関車が多い。また、2000年から2002年にかけて発注されたシーメンス製のデシロを30両保有しており、スロベニアにおける形式は312型である。
2018年4月、ŽSは直流3kVおよび交流15kVと25kVの電圧に対応する3系統装備の4両編成のFLIRT(510/515系)と、3両編成の気動車5両(610/615系)を発注した。