グラインドハウス
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グラインドハウス(英語:Grindhouse)は、主としてエクスプロイテーション映画を上映していたアメリカの映画館の総称。グラインドハウスで上映されていた映画はグラインドハウス映画と呼ばれることがある。ニューヨークの42丁目、ロサンゼルス、サンフランシスコをはじめアメリカ全土の都市部に存在した。低料金でエクスプロイテーション映画を2本立てで上映することが多かった。3本立てやオールナイトの上映、メジャーなハリウッド映画の遅れての上映もあった。
歴史[編集]
30年代から50年代に都市部に建設された映画館は、60年代にホワイト・フライトや都市のスラム化、テレビの導入で廃れていった。60年代後半から70年代初頭にこうした映画館はテレビで放送されない映画、権利金の安いインディペンデント映画を上映するグラインドハウスとなった。郊外では50年代末から60年代初頭にドライブイン・シアターが最盛期を迎え、ドライブイン・シアター向けの低予算映画が製作されていた。60年前後にはヘイズ・コードの形骸化や性の解放の中でセックスやヌードを売り物にする映画が登場した。こうしたセックスや暴力、奇妙であったりセンセーショナルであったりする話題を取り上げたエクスプロイテーション映画は主流の映画館で上映されなかったため、グラインドハウスが台頭した。60年代から80年代初頭にグラインドハウスとエクスプロイテーション映画は最盛期を迎えた。80年頃にはメジャースタジオによる訴訟や罰金のためインディペンデント映画製作者は大量生産ができなくなり、イタリアの食人映画やジャッロ映画などが大量に輸入された[1]。80年代にレンタルビデオとケーブルテレビの普及が原因でグラインドハウスは廃れていき、90年代半ばまでにほぼ消滅した。
出典[編集]
- ↑ Noah Rymer「Celluloid Corruption: New York’s Infamous 42nd Street and Grindhouse Cinema」Film Cred、2022年7月18日
関連文献[編集]
- 『グラインドハウス映画入門』(洋泉社、2007年)
- 柳下毅一郎『興行師たちの映画史――エクスプロイテーション・フィルム全史』(青土社、2003年、新装版2018年)