映画館
映画館(えいがかん)とは、映画を上演するための建築物。
概要[編集]
興行場法の規定により、映画館の設置には都道府県知事による許可が必要である。
かつては小さな街にも一館はあったが、テレビの普及で数を減らし、1980年代後半以降、日本でもショッピングモールなどに併設して、郊外に複数スクリーンを持つシネマコンプレックス(シネコン)と呼ばれる大型映画館が増えると、中都市でも閉館する単営封切館が増加した。
現代ではNetflixをはじめとするVODサービスの普及によって映画館の数をさらに減らしている。
分類[編集]
映画館は、新作映画を上映する封切館(ロードシアター)と、独立系のミニシアター、旧作映画を主体に上映する名画座に大きく区分される。
封切館の場合、シネマコンプレックス普及前はテレビのネットワーク同様、映画会社のネットワーク系列になっていた。原則としてネット元の映画会社が製作した作品を上映し、映画全盛期は宣伝費をかける大作とB面映画と呼ばれる寡作を併映するのが普通だった。
大手映画館運営会社によって運営されていない、独立的な映画館のことをミニシアターという。多くの場合、座席数は200席以下である。上演作品を支配人などが独自に選定する場合が多く、そのように独自選定されミニシアターで上映される作品は「ミニシアター系」または「単館系」と呼ばれている。
ミニシアターの中で、旧作映画を主体に上映する映画館を「名画座」と呼ぶことが多い。レンタルビデオやDVDの普及により、名画座は減少傾向にあったが、映画ファンによる普及活動で持ちこたえている館もある。
かつては映画館の名称に「○○劇場」と付いていたり、また映画館を「劇場」と呼ぶことも多かった。これはもともと一部の大規模映画館では映画興行の合間にアトラクションとして実演(歌手の歌謡ショーや演芸など)が催されていた事にもよる。従って、楽屋を備えた映画館もかつては存在した。
現在では、演劇の劇場との区別のためか最近はほとんど用いられない。
施設[編集]
本章では多くの映画館で備えている基本的な設備を列挙する。